普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

今の生活環境の「健全性」検証

2007-02-10 22:08:01 | 政策、社会情勢

柳沢さんの失言問題で、幸か不幸か少子化問題の論議がまた盛んになってきた。

柳沢さんの「産む機会」発言はひどいと思うが、つぎの失言?の「健全」発言を借りて私の子供時代の生活環境と今の平均的な生活環境のどちらかが健康的かどうか比較しして見たい。

私の小さいころの父は官営製鉄所の職夫(今で言えぱ正規工員と契約作業者の間位か)だったから当時の生活レベルから言えば、平均より可なり下の方だったに違いない。

1.母は専業主婦、子供が姉、兄、私、弟二人の7人暮らしだった。
現状の平均的な状況:父母、子供1~2人

2.父は時々残業する以外はほぼ定時帰宅
現状:父親は定時から遅く帰る人まで様々、単身赴任で年に数回しか会えない人。

3.母→専業主婦→帰ればほぼいつもいる。
いつも何か仕事をしていている母親の背中を見て育った。
現状:専業主婦→上と同じだか家電製品のお蔭でずっと暇になった。
  共稼ぎ→定時帰宅または残業が終わってからしか子供と接する機会が無いない。

4.子供は家庭内で既に子供社会が出来ていた。
赤ん坊時代の私の世話は殆どは姉がしてもらっていたそうで、今でも姉には頭があがらない。
近所の子との社会がありそれを見ていた大人がいた。
現状:少子化や ゲーム、パソコンなどで遊ぶため、家は勿論、近所でも子供社会ができない。
大切にされ甘やかされて育つ→ひ弱で我慢できない子が出来やすい。
社会生活の訓練が済まない内に学校の子供社会と言う密閉空間に入る事になる。
密閉社会ではいじめが起こるのは当然だ。


5.夫婦:同居、夕方から家族皆揃う。
年頃の未婚者には周辺からのプレッシャーがかかる。
現状:専業主婦→戦前と同じ
共稼ぎ→時間的にすれ違いが起こる。
中にはそれぞれの転勤に伴う夫婦別居→少子化
晩婚化、未婚化→少子化

6.学校:貧乏ななかで、皆を今で言う高校まで出してくれた。塾はなかった。
私は勤務後、夜間高専(今の大学)と新制短大に行った。
現状:高校は全入、大学進学率も高く、受験の為の塾が必須になりかけている。
公立学校の環境問題で私立校に通わせる人が増える。
稽古事に通わせる家も多い。

7:支出:食料中心、電話無し。
味噌、餅、おはぎ、饅頭など手作り。
衣服はお下がりが基本。
私は旧高専では、授業料免除、短大では育英資金を使った。
現状:食料品のほか、電気製品の購入、電話と携帯電話代、特に塾代、お稽古代などを含む教育費の増大。

8.家計→文字通りの貧乏。
現状:収入に格差が出始めている。
低所得家庭では、家計を助ける為に女性が外で働くかねばならない。

9.貧弱な国の福祉施設、今に比べるとほとんど無いと言って良い程。
現状:昔に比べれると、遥かに充実、特に老人施設。
然し働く女性の為の育児関係施設のさらなる充実の必要性の発生。

以上思いついたところを並べてみた。
昔の私たち周辺の環境と今の一般の環境とどちらが、健康かの比較だ。
年寄りの私には昔の方が良かったような気がするが、人それぞれの見方があるのは当然だ。
ただ書いて見てきづくのは、子供にとっての生活環境の悪化だ。

これを整理すると、
女性の価値観の変化と多様化
女性の職場進出の増加→家庭の生活環境の変化
若い人達の意識と環境の変化→晩婚化、未婚化→少子化
少子化
子供の生活環境の悪化→いじめの増加と悪質化
家庭の生活環境の変化→子供の生活環境の悪化
高学歴化→家計の圧迫
一部公立校の教育環境の悪化→私立校志向→家計の圧迫
豊富になった品物を買う為の費用の増加→家計の圧迫
生活レベルの向上→家計の圧迫
家計を助ける為の女性の職場進出
女性の社会進出を助ける施設の不足→少子化
などの問題とそれ以外の多くの問題のが複雑に絡み合って、現状を形成している。

ただはっきりしているのは、現在大きな問題となっている、少子化、いじめ、教育問題はそれぞれ大きく絡み合っている ことだ。

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