うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

大地を揺るがせてやってきた

2010-07-13 02:00:00 | 競馬日記
14年前の今日、シンザンが亡くなりました。
深夜(当日だったかの記憶はありません)に放送された関西テレビの特別番組『さらばシンザン 夢をありがとう』で、当時関西テレビアナウンサーだった杉本清氏がシンザンの遺影をバックにシンザンの思い出を語りました。
その中で、シンザンが3冠を達成した菊花賞の際にゲストの舟橋聖一氏が直線でシンザンが追い込んでくる姿を見て「大地を揺るがせてやってきた」と表現したと言っていました。30分しかない1回だけの特別番組の中でも伝えておきたいぐらい杉本氏の記憶に残る言葉だったのでしょう。
シンザンの3冠から19年後の菊花賞の直線で、杉本氏は「大地が、大地が弾んでミスターシービーだ」と実況しました。舟橋氏の言葉は杉本氏の名実況の元ネタと言っていいんじゃないでしょうか。舟橋氏の言葉を踏まえた上でその場面に適切な自分の言葉にして発することのできる杉本氏の実況技術の高さは特筆すべきものですね。

放送当時にあれっと思い、それ以来、どんな話だったのか引っかかっていたのですが、録画していたVHSビデオを引っ張り出して内容を確認しました。これだけインターネットが発達して、インターネットがあれば何でも調べられるかのような世の中なのに、『花の生涯』の作者の舟橋聖一氏(中山大障害のモモタロウの馬主、中央競馬会名誉顧問を務められたことがあるそう)がシンザン3冠達成時のゲストだったことも、上記のような言葉を残したことも調べられないのが不思議に思い、ブログに書いておこうと思った次第です。
また、名実況というのはその場限りの出任せのように発せられるのではなく、歴史の上に成り立っている文化的なものであることも理解しておきたいです。