うぉんばっとな毎日

大用、現前するとき、軌則を存せず

Pioneerof the Nile死亡

2019-03-19 20:40:04 | 競馬日記
Pioneerof the Nileが亡くなりました(記事)。

父はEmpire Maker。GI馬を4頭出したToussaud(ブログ)の最良の仔で、現役時代はベルモントS、ウッドメモリアル、フロリダダービーとGIを3勝しています。Unbridledの系統でIn Realityがクロスするものとしては、Unbridled産駒ではBanshee Breeze、Unbridled's Song産駒ではUnbridled ElainePolitical ForceSplendid BlendedFirst Defence(Empire Makerの甥で、血統表内でEmpire Makerを再現)がいます。一時、日本に種牡馬として来ていましたが、もうアメリカに戻っているようです。
Pioneerof the Nileの母父はLord at War。父Mr. Prospector系×母父Lord at Warの組み合わせの成功例は他にウォーエンブレムRaven's PassIcon ProjectFort Larnedを出したE Dubaiがいます。種牡馬としてのBrigadier Gerardは競走成績からすれば物足りなかったのですが、トマブリョン賞の勝ち馬Generalがアルゼンチンで種牡馬入りし、Lord at Warを出しました。Lord at Warは競走生活途中でアルゼンチンからアメリカにトレードされ、計3つのGIを勝ちました(亜GI1勝、米GI2勝)。アメリカで種牡馬入りし、直仔にJohn's CallHonor in War、直孫にKelly's Landingなどを出していますが、母父としての方がはるかに重要で、前記のようにMr. Prospector系との間にニックスのようなものが成立しているように思いますし、Pioneerof the NileやE Dubaiのように種牡馬として活躍する馬も出しています。

Pioneerof the Nileは競走馬としてはGI2勝。キャッシュコールフューチュリティとサンタアニタダービーを勝っています。ケンタッキーダービーは2着、プリークネスSは11着で、その後、故障により引退しました。種牡馬としては37年ぶりの3冠馬American PharoahとBCジュヴェナイルを含むGI3勝のClassic Empireを出しています。どちらもエクリプス賞最優秀2歳牡馬(American Pharoahは年度代表馬と最優秀3歳牡馬も受賞しています)。American Pharoahの配合は見事なわけですが(ブログ)、Classic Empireの方もなかなか素晴らしくて(最優秀配合賞に選びたかったぐらい)、3冠戦でも期待したのですが、ケンタッキーダービー4着、プリークネスS2着で、そのまま引退という父とよく似た道をたどってしまいました。2頭のチャンピオンを出したようにPioneerof the Nileは種牡馬としては当たるとでかい超長距離打者だったのですが、他にもシューメイカーマイルのMidnight Stormも出しています。

American Pharoah、Classic Empire効果で種牡馬としての格が上がり、2018年のセールでは好調だったようです。残された産駒にも期待します。