裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

予言者

2017年01月13日 23時25分19秒 | Weblog
「風の谷のナウシカ」を久しぶりに地上波で観たら、やっぱしすごいわ。
達見というほかない。
でも宮崎駿監督の作品は他にも観るんだけど、このひとのつくるものはどれもこれも、最後は結局、魔法と呪文に逃げちゃうんで、どうしても不満が残るのだ。
ものすごい期待にはじまって、ものすごい消化不良で終わる。
ナウシカも・・・まあ最後は「なんだこれ?どーゆーことやねん」なんだけど、それを差し引いても、この物語は世界観も展開も卓越した見識で描かれてて、すごい千里眼で未来を見通してるとしか思えない。
30年以上も前の作品なのに、ここら数年で起きてる問題の一切が予言されてんじゃないかしらん。
それにしても、いいよなあ、映画の中の世界は。
なんたって、この現実世界にないものを持ってるからね。
それはなにかっつーと、まあ希望と言ってもいいし、ナウシカと言ってもいいんだけど。
要するに、この現代に起こってることは、ああいうふうに(魔法で)便利には解決できないのだな。
美しく一件落着に終わるなんてことはありえない。
ぺしゃんこになりかけたら、あとはもうぺしゃんこになるしかないだろう。
あ、でも「風の谷のナウシカ」の中でも、一回ぺしゃんこになってんだっけ、この「旧」世界。
それはまあ、監督の予言でもなんでもなく、必ず起きるに決まってることなんだろうけど。
ぺしゃんこかあ・・・考えてみたら、映画では誰がどう近未来を描いても、あたりまえにそうなってるな。
近未来がぺしゃんこ前提での、遠未来表現を競い合う形。
この分だと、この現実世界にナウシカの出現を期待するなんて、夢物語だ。
別の言い方をすれば、ナウシカのいない「風の谷の物語」が、この現実世界なんだった。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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