裏日記「B面」

工房しはんが日々、ふと感じたり、しみじみとふけったり、ぴんとひらめいたり、つくづくと考えたりしてること。

汗をかくハイテクノロジー

2019年12月13日 22時52分13秒 | Weblog
ホームページをネット上に出してると、ちょくちょくと「ヒット数を上げませんか」とか「検索ランキングを上位に」とか「露出を高めますよ」的な電話がかかってきて、要するに彼らは「月ナンボかで客数を増やしますよ」と誘惑してくる。
だけどうちには十分に会員さんがいてむしろ飽和状態に近いし、ひとに頼らねばならんほどHPをいじる技術がないわけじゃないし、そもそも脅威に感じるライバル教室が周辺地域にないんで、これ以上の広告費投入の必要性を感じない。
というよりもオレは、駅前で配るチラシの効果を信じきってるので、会員さんが減れば現場に出て立ち働こう、という考えなんだった。
チラシ配りはいいよ、楽しいし、なんたって結果が裏切らない。
さてそんな折りに、また電話がかかってきたのだ。
受話器の向こうの相手は、「グーグルです」とでかい名前を出してくる。
さてはサギか、と感じたが、相手は声高にその表看板を掲げてるし、話もそれに添う内容になってる上に、金銭のやり取りが発生するわけでもない、という。
「おたくのサイトはこのままじゃまずいので、一度うかがって説明させてもらいたい」のだと。
ほう面白い、だったら勉強させてもらおうではないの、と工房まで足を運んでもらった。
待ち受けるオレの両隣には、パソコンのプログラミングの先生に、ウエブプロデューサーという布陣で(たまたまそこにいた)、ネット知識に抜かりはない。
現れた若造は、どうやら本当にグーグル(の枝葉会社)の社員らしい。
この人物がありがたいことに、わがHPを示しつつ、「こうだからだめだ」「こうすればよい」とお節介を焼いてくださる。
「トップ取んなきゃ意味ないっす」と、なんだかケンカ番長みたいな勢いだ。
しかしそもそも、練馬区で陶芸教室を検索してみたところで、ヒットするのはわずか数件なので、オレとしてはこの位置(三番目ってとこ)でかまわない。
なのに「いやいやいや、もっと上の方がいいですよ」となかなかしつこい。
このお定まりの口上の後に、さて営業、ということになるのだろうが、金の話は一切してはならぬ、と電話であらかじめ釘を刺しておいたので、新米め、カードの切りどころに逡巡があるようだ。
そんな頃合いだよ。
こちらが、「うちは地域密着型で、チラシ配りで対応してるんで」と発言すると、ここぞ!と思ったか、攻めに転じてきた。
「おっと、お待ちください」というわけだ。
「ネットの力を甘く見ないほうがいいですよ。チラシなんかよりすごいですよ」などとのたまいはじめる。
「絶大なのです!」と、全能の彼は言うのだった。
はて。
だとしたら、きみのやってることって・・・?
ターゲットのサイトを片っ端から調べ上げ、飛び込み営業でアプローチの電話をかけまくったのではないかと、オレは想像するのだが・・・?
さらにうちが反応を示したと見るや、あらんかぎりの言葉を尽くしてアポイントを取り、わざわざ時間を割いて現場まで足を運んでくださる。
この営業方法って、きみが言うところの「無駄骨」なんでないの・・・?
たしかきみのさっきの説によると、ネット上にその旨を示し、検索順位を上げ、じっと待ってさえいれば、顧客はあちらからじゃんじゃんとやってくるはず・・・
きみはきみが軽んじる古典的作法(電話・チラシ勧誘)を捨て、きみが自信を持って説くところの方法論(ネット集客)に殉ずる覚悟で、顧客を増やすべきなのでは・・・?
矛盾に満ちた彼は、おびただしい原始的努力と言葉数を乱費したにも関わらず、なんの契約を得ることもなく帰っていった。
彼の行動はどこかがおかしい・・・と違和感を感じてたのだが、今ふと気づき、書き出してみた。
グーグルも、けっこう現場主義で汗を流してるのだなあ。
しかしこれでは、なるほど説得力がない。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園

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