マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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額田部北町推古神社宵宮の御湯

2011年11月02日 06時41分35秒 | 大和郡山市へ
巫女さんが御湯をされる神社が数多く見られる大和郡山。

祇園さんの夏祭りなどでされている馬司町の杵築神社、新木町の新城神社、丹後庄町の八雲神社、池之内町の八幡神社、小南町の小南神社、天井町の八幡神社(宮)、杉町の八幡神社、満願寺町の古田神社、本庄町の熊野・八幡神社である。

笹の葉を湯に浸けて湯気とともに邪気を祓う湯立ての神事は御湯(みゆ)と呼ぶのが本来だそうだ。

夏病みせんようにという意味がある夏祭りの御湯は秋祭りにも行われている。

宮堂町の八王子神社、椎木(西)町の厳島神社、田中町の甲斐神社、西町の戎子神社、池沢町の春日神社、小林町の杵築神社は秋祭りだけであるが、池之内町の八幡神社、小南町の小南神社、新木町の新城神社は夏も秋もされている。

かつては野垣内町の春日若宮社でも行われていた御湯。

それは代々巫女神職家系にある大和の巫女によって行われているのだ。

数えてみればおよそ20行事にもなる。

その御湯は額田部北町に鎮座する推古神社でも行われている。

祭りの当家がその日に用意した古い釜は本殿と拝殿の狭い間に設えた。



巫女さんが立つ神事の場には蓆を敷き、傍らに塩、米、幣に笹葉が置かれた。

巫女さんが到着する前、薪に火を点けて湯を沸かしておいた当家たち。

始まる直前には拝殿に並んだ。

両手に笹を持ち四方の神さんを呼び出す作法。

東の伊勢神宮の天照皇大明神、南の談山神社の多武峰大権現、西の住吉大社の住吉大明神で北は春日若宮大明神の四柱の神々である。

湯立ての御湯を浴びれば無病息災になるとされ、それを飲めば体調が良くなるという。

かつてはその御湯をやかんに入れて持ち帰る慣習があったと三郷の巫女さんは話す。

その湯立ての作法を見て「シャゴシャゴ」と呼んだ旧村の人たち。

笹の葉を釜の湯をたてる音からそう言ったそうだ。



御湯は宵宮にされるのがほとんど。

祭り始めに祭場を祓い清める神聖な神事なのである。

釜に清水を満たして聖なる火で沸かした湯気で祭場を清める。

塩、米を湯に投入して湯気のなかに幣を立て掻き混ぜる。

鈴を振り鳴らす。

祝詞を唱えて四神を招く。

そして笹葉を湯に浸けて神聖な湯気が立ち上る。

まことに厳かな神事である。



その笹湯は拝殿で見守っていた当家の一人一人に湯で祓う。

こうして当家たちは祭り前の祓い清めを終えた。

(H23.10. 8 EOS40D撮影)


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