マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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椎木杵築神社の昔夜宮

2012年11月26日 07時46分32秒 | 大和郡山市へ
大和郡山市の椎木(しぎ)町は東西2か所からなる集落のそれぞれに寺社仏閣がある。

西に厳島神社と出雲寺がある。

厳島神社は弁天社とも呼ばれる社だ。

一方の東は杵築神社と光堂寺に浄連寺がある。

杵築神社はかつて牛頭天王社と呼ばれていた。

境内にあるお寺は光堂寺。

同寺に安置されているのが本尊薬師瑠璃光如来であることから薬師堂とも呼ばれており、牛頭天王社の神宮寺であると、地元住民が編集された『椎木の歴史と民俗』に記されている。

平成3年の10月に発刊された村の歴史を纏めた本である。

浄連寺は東本願寺派。

S氏の話によれば天誅組の三枝蓊「さえぐさしげる」が生まれたとされる寺だそうだ。

調べてみれば天保十一年(1840)にこの地で生まれたようである。

伴林光平「ともばやしみつひら」が天誅組に入ったことで挙兵(文久三年・1863)し共に活動をしていたと伝わるが、それを示す物品が見つかっていないという。

大和郡山に天誅組の関係者が存在していたことを知ったこの日であった。

それはともかく、椎木には東西の地区それぞれに宮座がある。

旧村の営みを連綿と繋いできた座中である。

宮座の名称は十人衆と呼ばれているが、実際は11人。

最長老にあたる人は神さんとも呼ばれている一老だ。

座中は終身制である。

今尚、旧暦の8月9日を行事日としているこの日は「昔夜宮(むかしよみや)」。

参籠所でお参りされる村人を待つ人たちは4人の座中と東西の自治会長。

夕飯の会食を済ませてからは本殿前の回廊に提灯を掲げる。

それにローソクを灯すのは自治会長だ。

座の手伝いだと話す。

暗くなれば頃あいを見計らってローソクに火を灯す。

40年ほど前までは各家が持ってきた家紋付きの提灯を鳥居辺りに掲げていた。

当時は壮観な様相であったと回顧される。

今月末の28日には西の弁天さんの行事がある。

弁天座の営みである。

当日は雨天のために止むなく会所で御湯上げがされたと聞いた。

翌月の10月7日は神遷し。

座当屋の家に杵築神社の分霊を迎えて祀る。

翌日の8日は再び神社へ戻る神送りのお渡りがある椎木の伝統行事は春日若宮おん祭に奉納される薦上げもある。

古来より春日大社との関係が濃い地域である。

そうした関係もあって定期的に開催されている春日大社の「学びの会」。

この年の11月17日には」「おん祭と民衆―祭を支える人々―」と題して講座が開催された。

その日の講演者は椎木町の自治会長。

おん祭における「椎木の薦上げ」を話したと聞いた(11月19日)。

知っておれば聴講したのだが・・・。

(H24. 9.24 EOS40D撮影)


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