マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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下笠間のカキモチ

2013年04月19日 08時34分52秒 | 大和の郷土料理
寒の入りになってからカンノモチを搗くという室生下笠間のⅠ婦人。

この日訪れたのは美味しくいただいたイノコのクルミモチのお礼である。

寒中に搗くカンノモチは2升。

コジュウタに伸ばして柔らかいうちに押し切りで切る。

薄く2枚に切っては座敷に広げる。

切るたびに広げる繰り返し。

大量にこしらえたモチは屋内で干す。

そのうちにそり返ってくるので裏返しする。

それを繰り返す数カ月。

5月まで作業が続くと云う。

できあがったモチはカキモチ。

米蔵で貯蔵する。

食べたくなった都度に蔵から出したカキモチは天ぷらを揚げるようにして作る。

揚げるフライパンは2枚。

たっぷりの油を投入したフライパン。

一つはトロトロ火。

ホタル火のような火で揚げる。

もう一つはそれより高温の天ぷら揚げ。

カキモチは高い温度で揚げれば焦げてしまう。

しかも膨らまない。

じっくりことことではないが「始めは弱火で揚げないとあかん」と云う。

一旦はトロ火で揚げて取り出すカキモチ。

少し強めの火にしたフライパンに移す。

二度揚げである。

そうすればぱぁーっと大きくなってカリっと揚がる。

こうしてできあがったカキモチは数種類。

なかでも特に美味しかったのはムラサキイモのカキモチ。

他にもサトイモのカキモチも。

それらはモチ米を蒸すときに潰したイモを入れて混ぜる。

杵搗きでなくモチ搗きの器械で搗く。

親戚中に配るほど作るので必需品の器械だ。

甘くて美味しいカキモチに何度も手が伸びる。

砂糖を入れたような甘さと思えばそうではなかった。

味はイモ本来の甘さなのである。

(H25. 1.11 SB932SH撮影)


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