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マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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法蓮佐保田狭岡神社御田祭

2010年03月28日 07時28分21秒 | 奈良市へ
祈年祭が各地で行われている。

その多くは2月に行われており、寒さが一段と冷え込む季節である。

今年は気温が20度近くまで上昇し、穏やかで春の陽気が感じられる日となった。

法蓮町佐保田の狭岡神社では拝殿に一升升に入れられた籾種と箕の具に置かれた杉苗を供えて祈年祭(御田祭)が行われた。

農家にとって豊作は祈り事。

田植え前に最初に行われる行事だ。

集まってきたのは農家組合などの氏子たち。

神職を迎えて始まったとしごいの祭り。

農作業に欠かせない鍬、鋤、馬鍬(まんが)(※)の農具が並べられ、神前に向かって五穀豊穣を祈願する。

御田(おんだ)の所作がなくとも豊作を臨むのは大切なこと。

奉られた農具がそのことを語っている。

法蓮の氏子は隣社の常陸神社で毎月19日に奉仕されている阿弥陀講の方々。

狭岡神社が本来の氏神さんだという。



蔵に残されていた三つの高坏(たかつき)。

明治八年に寄進されたもので「左保田神社」と銘記されていた。

左保田の名は土地の名前。

その後に現在名の狭岡神社に転化したのであろう。

祈年祭を終えると奉られた松苗は各家に配られる。

参列者は各地区の代表者でもあることから、地区の人数分の松苗を授かって直会のあとに持って帰る。



水田が少なくなった法蓮。

苗代の姿は見られないが畑地に挿してある松苗のお札が見つかる。

(※) 棒状の柄をすげたT字形の馬鍬は歯があるが、供えられたモノにはない。

おそらく杁(えぶり)状の柄振りであろう。

(H22. 2.24 EOS40D撮影)