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マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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修理枝八王子神社風鎮ノ祭

2009年09月17日 07時00分10秒 | 桜井市へ
風の祈祷は東山中に数多く見られる祭礼である。

桜井市の山間部、修理枝に鎮座する八王子神社では元々十七日であったが集まりやすい日曜日に行われている。

夕暮れになると集まってきた氏子たち。

拝殿前に設えた灯明立てに蝋燭を挿して火を点ける。

かっては12枚のカワラケのトーシミと呼ぶ灯心に火を点けていた。

一年間を表すというトーシミは閏年のときは13枚になる。

それが現在は灯明立てに替わった。

なぜか3本多い15本とあるのはサービスじゃと笑った。



この日は垢離とりといって朝から化粧川の河原で小石を拾ってくる。

本来は33個の石を拾って神社裏に乗せていくのだった。

それは家族で行う習わしで、6人家族なら一人一個ずつ拾ってくれば6回で済む。

3人家族なら11回も神社と川を往復せねばならない。

年老いた家人だけになった家はたいへんな負担になるからと現代は3個の石を拾ってくるようにしたという。

この垢離とりは何度も往復するのに途中で数が判らなくなる。

その回数を数えたのがサカキの葉っぱ。

最初に33枚にしておいたサカキの枝は一回持ってくる度に葉をちぎる。

それがすべてなくなれば垢離とりの終えた証しになる。

川で小石を拾う際、サカキの葉を川に浸けて頭から水を被る。

禊ぎの意味であって、葉っぱはナンテンでも構わないという。

灯明の火は風に負けることなく揺らいでいる。

拝殿に登った氏子らは笠の荒神さんから神職を迎えて、修祓、祓えの儀、祝詞奏上などの神事を行う。

風鎮ノ祭(カゼシズメノマツリ)とも呼ぶ風の祈祷は時間の経過とともに境内を闇に包んでいった。



修理枝(しゅれだ)は一時期に知枝(ちえだ)と呼ばれる時代があった。

織田信長の家臣に地名と同名の家来がいたことから許し難いと地名を替えた。

その時代が過ぎ去ったあとは再び修理枝(しゅれだ)に戻ったと地区長は言った。

(H21. 8.23 Kiss Digtal N撮影)