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マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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続、日笠町さぶらき

2009年07月05日 11時42分42秒 | 奈良市(東部)へ
苗がすくすくと育つころは始終田んぼを見て回り、キンズイ(間炊:けんずいのこと)のときはホガシワを開いて昼飯にするのだという。

前もって摘み取っておいたホウの葉に御飯を入れて十字にワラヒモで結んだものがホガシワと呼んでいる。

ホウの葉を取りに行くときもホガシワを取るという。

刈り取った新米は「ありがとう、ごくろうさんやった」というて竃に稲束を供える。

さらに新米は春日大社に献米をするという。

縦長の白い生地の袋に入れて奉納すれば大社からシャモジをいただいて帰る。

シャモジは神棚に祀っておく。

毎年のことだから神棚に溢れる前にとんどで焼いているという。

(H21. 4.29 Kiss Digtal N撮影)

日笠町さぶらき

2009年07月05日 11時35分30秒 | 奈良市(東部)へ
奈良県内では盆地部の田植えは6月ころで、山間部はそれより一ヶ月前のゴールデンウイークに行われている。

今日29日、奈良市の田原の里辺りではいち早く田植えが始まった。

日笠町のNさんの田んぼでは、毎年この日、田植え初めに豊作を祈る「さぶらき」が行われている。

「さぶらき」は早苗開きのことで、先月に氏神さんのおんだ祭で御祈祷された松苗と「御年大神」と墨書されたお札を巻きつけたウルシ棒、家で作った紙垂れ幣を付けたクリの木を田んぼの角に挿して予めに豊作を祈願する行事だ。

その傍らには桝の中に入れた煎った玄米を包んだ五つのフキの葉(これをフキダワラと呼ぶ)を供える。

今年も豊作になりますようにと祈りを込めて手を合わせる。

ひとつのフキダワラのワラヒモをといて玄米を取り出しパラパラと田んぼに撒く。

そして、その付近に4月初旬にタネを撒いて育苗ハウスで育苗したモチゴメ苗(品名はタカサゴ)のを手植えでしていく。

1メートルぐらい植えたあとは田植機で効率よく田植えをしていく。

日笠の農家の殆どは松苗とウルシの木を供えるだけになったが、「さぶらき」は昔からこうしているし、これからも絶やすことなくしていきたいとNさん夫妻は笑顔で話された。

田んぼの水は山からの天然水で、美味い米が収穫できるのが自慢のタネだ。

なお、県内ではまったくといっていいほど消滅したフキダワラ御供は珍しく、たいへん貴重なものになっている。

(H21. 4.29 Kiss Digtal N撮影)