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マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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横田春祭の木盃回し飲み

2009年04月05日 08時23分38秒 | 大和郡山市へ
長老席の膳には二段重ねのモチ、紅白饅頭、三つのミカン、塩焼きサバで他の膳は塩焼きサバが置かれている。

昔はブリだったが祭祀費用の改正でサバに替わったという。

席の前には六段重ねの木盃。

長老が選んだ一番大きな盃を持った當家。

一升瓶の酒を並々と注いでいく。

それを長老席から一人ずつ順に回して飲んでいく。

二周ほど回ったら残り少なくなってきた。

これで締めやと長老は一気に飲み干した。

回し飲みの儀式は乾杯の替わりとなる儀式といい、全員で飲むことから固めの儀式とも考えられる。

儀式を終えると直会が続き當家は酒を注いで回ったりご婦人方が作られたトーフ汁(豚肉、ダイコン、ニンジン、カマボコ、豆腐、ネギ、ユズの皮入り)を配っていく。

サバと神饌下がりのカマボコにトン汁を肴に酒宴の場は招待長老の長寿を祝う。

かっては當家の田んぼがあってそこで稲を作っていた。

それを売って祭祀資金にしていた。

戦後の農地改革で田んぼがなくなって豪勢だった直会の膳は今の形式になったという。

(H21. 2. 4 Kiss Digtal N撮影)