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マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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大柳生旅立ち太鼓踊り

2007年09月18日 08時30分41秒 | 奈良市(東部)へ
奈良市大柳生町で行われてきた県指定無形民俗文化財の太鼓踊りが危機に陥っている。

一年交替で世話をする頭屋の負担が重くなってきて辞退する者も多くなってきているという。

頭屋は二十人衆から順に決められた長老者。

頭屋は廻り明神と呼ばれる神霊で夜支布山口神社の分霊とも。

祭りは二十人衆によって決定されるもので苦渋のなかでの決断。

その一件を聞いた若者たち。

上出垣内、塔坂垣内、西垣内の三地区の有志を集めて太鼓踊りを継承していきたいと嘆願。
長老、太鼓踊り保存会らは同神社の神事と切り離して存続の道を選んだ。

室町時代に始まった大柳生の太鼓踊り。

今年、新たなる旅立ちに向かった約15人の若者たちは三地区の合同形態で行う形式で再スタートした。

塔坂集会所を出発した「カッコ」と呼ばれる太鼓を叩きながら踊る者は背中にシナイと呼ばれる花飾りを身につけ、同神社前の営農組合広場へ向かう。

上出垣内、塔坂垣内のシナイは花模様や削りヒノキに違いが見られる。

一同に介するのは始めてのこと。

上出の「ダイジュンヤク」、塔坂の「シノビオドリ」、西の「ヤシキオドリ」の踊りが披露されると観客は拍手喝さい。

今回は混成形態で行われましたが、今後のやり方など多くの課題が残されている。

若者ら自身で運営していくと宣言された新生太鼓踊り。

温かい拍手で見守りたい。

(H19. 8.18 Kiss Digtal N撮影)