──ヘーゲル『差異』(『ヘーゲル・セレクション』廣松渉・加藤尚武編訳)
固定されたこのような対立を止揚すること、
それこそが理性の唯一の関心事である。
合一する力が人間の生から消失し、
対立項が、その生動的な連関と相互作用を失って、
自立性を獲得するに至ったとき、哲学の欲求が生起する。
固定した主観性と客観性という対立的措定を止揚し、
叡知界と実在界という既成化した存在を、生成として把握し、
所産としてのそれらの存在を産出として把握することは、
その限りでは偶然事であるが、
しかし分裂がすでに与えられている情況のもとでは、必然的試みなのである。
生成と産出の無限の活動を通じて、理性は分離されていたものを合一し、
絶対的な分裂を、根源的な同一性によって制約された相対的分裂に格下げする。
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原則は極めてシンプルだ
使う、使って使って使い倒す
使われるのではない
したり顔で教唆するバカ面に使われるな
たしかな理由がある
真理へアクセスするのではない
地べたに張りつくためではない
舞上がって嘲笑うためではない
ひとことで表わせる──
雌雄を決するママゴトではない
知の階段の高みに昇って
高い、高いするクソガキの遊びではない
文化とか、知的とか、のぼせ上がった
ふざけた観念にたぶらかされるな
隔絶の淵をブリッジする
たったそれだけのために使う
新しい関係のルートを開く
橋を架けて生の展開可能を拡張する
as possible as you can
より楽しく、心地よく、面白く、美しく
ブリッジする
糸を通す
隔絶の淵を渡る
放置された分裂を結び合わせる
ただそれだけのために使い倒す
使われれるなよ、ことばに
知自体に価値があるのではない
高みに昇ったつもりのバカ面に騙されるな
ひとまず離脱しよう
脅され、煽られ、乗っ取られ
使われ尽くされて殺されるまえに
死んだ解と解法の集積場
仮象の知のふるさと、拡大教室を