農夫(笑)イワン・アサノヴィッチは気を良くしている。
初めて作付けしたタマネギが良く獲れたからである。1ヶ月近く後れた定植をカバーするためにマルチング被覆をして越冬させたのである。
当然のことであるが畝には元肥の乾燥鶏糞と堆肥を鋤込んでおいた。心配は1ヶ月の遅れであったが、弱い苗は多少は枯れてしまった。
早生の中玉種は成りが少し悪かったが仕方ない。赤タマネギと大玉はほぼ予定どおりに獲れた。我ながら満足である。
一芝居打ちながらご近所に配った。心配しながらやっとの思いで収穫できましたなんて顔はしてはいけない。『いやあ!まぐれですよ』などと言う謙遜めいた言葉も使ってはいけない。
『こんな立派なものを頂いていいのですか?』と言う返礼が欲しいならば、まずは何喰わぬ顔をすることである。ニコニコしながら配っては行けない、『ま、こんなもので良ければ召し上がってください』と言うさり気ない調子が良いのである。
そうするとイワン・アサノヴィッチはいとも簡単にタマネギを作りおせ、惜しげもなく近所に配っているところをみると大豊作であったに違いないと錯覚するのである。
錯覚させること自体が目的ではない。目的はイワン・アサノヴィッチがそろそろプロの農家に肩を並べるところまで来たのではないか?と言う気持ちを持って貰うためなのである。(笑)
だから、ご近所の方にはイワン・アサノヴィッチというハンドルネームは決して教えられない。
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