イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

”派遣”はいま、各紙・各局より

2008-06-30 23:50:14 | 社会・経済

【派遣労働者は”資材”扱い】

派遣労働のことが、昨今マスコミなどで取り上げられる様になって来た。

労働問題のみならず、社会問題として議論されるようになって来たことを歓迎する。

共産党の志位委員長が20日放映(CS放送:国会トークフロントライン)された番組の中で『派遣労働者は一口で言えば生きている人間をモノ同然に使い捨てる。

たとえば派遣社員というのは企業の経理上も「人件費」として扱われないんです。「資材調達費」というところに計上されるんです。モノと一緒です。

【労働者は虐げられっぱなしか】

6月27日:朝日新聞。

妊娠中の女性が、6週間の産休が始まる時点で派遣契約があれば産休を取得できると思って、つわりがひどかったが頑張っている矢先に契約終了を告げられた。

男女雇用機会均等法が禁じている妊娠を理由にした契約終了である。

派遣会社に詰め寄ったが「派遣先が勘弁してくれと言っている。」とごまかされた。

詐欺にあったような気がして許せないと思い交渉に入ったが、お腹の子が逆子になってしまった。

「この子も踏ん張っているのかも知れない。母さん、頑張るよ」とお腹の子に声を掛けている。

アサノヴィッチは読んでいて涙が滲んで来た。

虐げられている労働者の困難に同情した涙ばかりではない、使用者・資本の権利無視という社会不正義に敢然と立ち上がろうとする労働者魂に感動したからである。


トラスト田んぼの田植え

2008-06-19 11:19:44 | 農業

Cimg1963     6月1日。「トラスト田んぼ」恒例の田植えが行われた。

まじゃりんこ組織の小学生~高校生たちとその父兄(17人)も手伝いに来てくれたのも恒例となった。

天気も上々でイヴェント日に相応しいものであった。事前の田んぼ                                NPOの周到な準備もさることながら、まじゃりんこ指導者の男性の手際良さも相まって田植Cimg1966えは順調に進んだ。

初めて泥田に足を踏み入れる子どもたちは当初はワーワー・キャーキャーと言ってためらっていたが指導員たちのかけ声に合わせてやがて黙々と田植え作業をこなすように変わっていった。

ところがひとり4歳の女の子はようとして田んぼに足を踏み入れようとはしない。明らかに何かに躊躇しているのである。

Cimg1968他の子どもたちの田植えをじっと見つめている顔は真剣そのものである。

『どうしたの?田植えをしないの』アサノヴィッチが声を掛けてみた。黙って頷くだけである。

『みんな田植えをしているじゃない、きみもやれば』と再度促したが首を横に振るだけである。

Photo暫くして、どうして田んぼに入らないのか?と訊いた応えがなんともはや…『ウンチみたい』。 ま、そんなもんだよね。

ウンチの中には誰だって入りたくないよね。(笑)


ノムさんのぼやき

2008-06-18 16:27:57 | スポーツ

 17日、プロ野球セ・パ交流戦で楽天イーグルスは阪神タイガースに競り負けた。

前半でタイガースに先制されたが逆転し、同点に追いつかれた8回には再逆転したのであるが、その裏に逆転され9回の藤川球児登板で打つ手なしの敗北である。

野村監督(楽天)は「それにしても阪神タイガースはなんであんなに強くなったんだろうか」とぼやきコメントをのこして行った。

ノムさん!アサノヴィッチはかってあなたがヤクルトの監督をしていた頃からのフアンでしたが、野球界の”智将”なんて言われ始めた頃から、好きでなくなりました。

理由は”ID野球”などという手法を編み出したと得意になってい37382017201 たからです。(マスコミがかってに持て囃した言葉かもしれませんが…。) 

なるほど重要なデータ・統計は野球のケースバイケースの局面をハッキリと語っています。そのIDに基づいて試合の采配をし勝ち抜いたということなのでしょう。

しかし、今季の阪神タイガースはIDからすれば、多くの専門家が語っていたように、チーム力としては中日・巨人に次ぐもので優勝は難しいとされていました。

だから、ノムさんにとってみれば昨日のタイガースの強さが不思議でならないのです。

過日のタイガースのヒーローインタヴィユーで下柳・金本・矢野の40歳トリオを代表して金本が「両脇にベテランのチームメイトがいる、(弟分の)新井貴浩でなくて良かった」と笑いを誘っていました。

いまの阪神タイガースにあるのはID云々ではなく、チームが家庭的な雰囲気を大事にした一丸の姿勢だけです。

ノムさん!かって、あなたはIDとは矛盾するけれども良いこと言っていたのですよ。

「野球の試合で一番必要なものはイキオイだ。」と。

ノムさん、ID思考を脱しましょう!


アキバ無差別通り魔事件と”格差社会”

2008-06-15 01:55:03 | 社会・経済

 8日午後零時半。東京・秋葉原の電気街で無差別殺人通り魔事件が発生した。犠牲者は七人にも昇った。

犯人は24歳の派遣社員で青森県トップクラスの進学校を卒業した人間である。

厭なことであるが近年、この種の無差別殺人事件が頻発している。

犯人像としては、周囲の人たちが信じられないほど普通の人であったり、おとなしい人であったりする。過去においては使命感や責任感はむしろ強い人であったりしている。そして、社会からドロップアウトしそうな状況の青年たちである。

 アジアのメデイアがいち早くこの事件を解説した報道をしている。「長く生きても希望や展望がもてない若い人が多いのではないか、派遣社員が増えて隣で働く人とのつながりも薄れ団結して戦う相手も見えにくくなっている。」韓国・東亜日報。

「日本は個人同士のコミュニケーションが少なく、悩みを心の中にためてしまう。それが爆発して、一部の人が理解しがたい事件を起こすのではないか」香港フエニックスTV。

さすがにと言うのかようやくと言うのか、日本のメデイアもこの線に沿った報道・解説が始まりつつある。舛添厚労相も労働者派遣法の問題点に言及し、法改正をシブシブ言い始めた。

これらの動き自体は歓迎するところである。

かって小泉首相は「格差があって何故悪い」と嘯いていた。それは、今までにも十分にあった労働者間の”格差”を必要以上に取り込もうとした経済界や政府の国民収奪のプロローグであった。

アメリカのように多民族・多言語・多宗教のモザイク国家ならばいざ知らず、単一民族・単一言語国家(アイヌの先住民認識を否定はしない)の日本にあってはご都合主義的なグローバル化のもとに工作された格差社会は必要以上なものであり有害である。

結果の平等と機会の平等をご託宣する、御用学者・評論家・経済人と浅薄な信奉者は「国家の品格:藤原正彦著」を読めば良い。

多くの若者は安定した気持ちで一生懸命働きたいと願っているのである。マスコミもほんのごく一部の若者のニート・フリーター志向を過大に報道し、底流にある本質を隠すべきではない。


新銀行東京の「成果主義」

2008-06-02 23:43:00 | 社会・経済

 金融庁は5月16日、新銀行東京に立ち入り検査を実施した。

資産査定状況やリスク管理態勢などを点検するほか、経営陣の内部管理態勢についても検証する。

都議会では共産党が過大融資を問題視し指摘している。このことについては一時マスコミなども経営上の大きな問題点の一つとして報道していた。

不適切な過大融資は即ちそのまま不良債権に連なる危険性が高くなるからである。都は新銀行に対してマスタープランを押しつけ、その中で過大とも言える融資をさせた疑いが濃厚である。

過大な融資を達成するためには当然のことながら、融資の基準・査定を甘くしなければならなくなる。査定を甘くすれば融資先の倒産などで貸付金の回収が不能となり、いわゆる不良債権が増えるという構図になる。

しかし、驚くべきことに、これに上乗せの話しがある。融資担当職員に対して”成果主義”を導入し融資先の獲得競争をさせたのである。

そのまた条件が奮っている、融資先の倒産が契約から半年以上たっていれば担当者の責任は問われないと言うのである。そして極めつけはその融資担当職員は正規採用ではなく、契約社員だと言うから語るに落つである。

断っておくが契約社員一般を誹謗・中傷する意味では毛頭ない。

融資先得競争で成果を挙げた契約社員には200万円の特別償金が支払われたという。

終身雇用の身分ではない契約社員が新銀行東京の末永い発展成長を目標に今日を働くとはとうてい思えない。彼らは今日・明日を生きなくてはならないのである。

穿った見方をすれば、融資先の企業は6ヶ月間だけ倒産してくれなければ良いという最低限目標を設定した仕事をしがちになるのではなかろうか?

事実、詐欺的な焦げ付き融資が発覚している。(井上埼玉学園大教授、談)。融資詐取疑い35件(朝日:3月21付け報道)

どう考えても200万円の特別賞金はそんな意味合いでしかない。世に言う”成果主義”とは官民問わずこの程度のお粗末さなのである。

いみじくも石原知事自身の『民間の手法を信用しすぎてはダメだ』の発言は当たっている。