前評判が高かった、オリンピックの野球種目で日本は金メダルはおろか銅メダルさへ取れなかった。
試合を観ていた人の殆どが感じたであろう印象は”不甲斐がない”の一言であろうか。
予選リーグの試合を含めて多くの試合は先制していたにも拘わらず粘りなく、あっさり逆転されてしまう。一方、大勝していてもベンチは冷静と言えば聞こえが良いが、はしゃぎがない。
勝った気もしなければ負けた気もしないという、中途半端な気持ちのまま試合の全日程が終わってしまったのである。
山本浩二コーチの『日本チームはゲームに乗り切れなかった。』の弁は当たっている。
3位決定戦ではG・G佐藤の凡ミス、稲葉の走塁ミスなどちょっとした気の緩みがその後のゲームの敗戦に大きな影響を与えてしまったことを考えると、稲葉の『国際試合では一瞬のスキが命取りになった』の弁も的を射た反省であった。
オリンピック選手団長の福田氏は早くも、オリンピック選手村に入ろうとしなかった星野ジャパンを安易な態度と名指しで批判した。
また、24日付けの朝日新聞は記名記事で、コーチ陣にスペシャリストを配置せず、星野・田淵・山本という”大学同期仲良し3人組”というベンチスタッフの”組閣”そのものから反省が必要だ。と手厳しい批判をしている。
事情に詳しい選手団長やマスコミからの言葉だけに重みを感ぜざるを得ない。
もうひとつ、外野席(笑)から言わせて貰うならば、選手の中に所謂”ムードメーカー”がいなかったように思える。
選手全員が使命感・責任感・生真面目さだけで余裕がないのである。
存在感のない選手ばかりだったと言えば怒られるが、イチローあるいは阪神タイガースで言えば、赤星みたいなナインの連帯を作れる選手が不在だったのではなかろうか。