きょう16日は、12党という他党乱立気味となった総選挙の投票日である。
数日前の民放番組で、総選挙絡みの「党首・党首・党首」というタイトルの番組が放映された。番組はその日一日の各党党首の特徴的な演説なり言葉なりを手短に纏めて有権者に報せるという狙いのものだった。<o:p></o:p>
他の党首のそれはいちいち記述しないが、例に依って石原慎太郎(日本維新の会代表)が『日本は憲法9条で戦争をしない国になっている。だから北朝鮮は平気で日本人同胞を拉致していく。北朝鮮の無茶を戒めるために憲法9条を変えて、国防軍で対応しなくてはならない。』と宣うのである。<o:p></o:p>
まるで子ども騙しみたいな理屈で、ものを言っている。其処には平和とか外交とかいう言葉の微塵もなく、唯々やたらと戦争をしたがっている姿がある。
ご存じのように北朝鮮は先軍政治とやらで、まるで戦前の日本のように軍部と独裁党(大政翼賛会党)が跋扈している国である。ブッシュ前米大統領ではないが、まさに“ならず者”めいた振る舞いである。
北朝鮮はつい先日、人工衛星打ち上げと称してアメリカを想定した大陸間弾道ミサイルの発射実験を強行したのである。まるで相手にされない悪ガキっ子が周囲の注目ほしさに意表を突く行動を執るのにそっくりである。
石原はそんな国を相手にして、戦争を仕掛けて懲らしめろと言っているのである。その為に戦争遂行に邪魔な憲法9条を変えるべきだと言っている。
石原をして「ボウソウ老人」と称しているが、この辺までくると「ボケ老人」と単純に言って良いのではあるまいか。
次に番組が紹介した舛添要一党首の演説が光っていた。
イワン・アサノヴィッチは自民党時代の予てより舛添要一が好きではなかった。
あの顔付きが好きでない、白目の多いギョロ眼で結構早口で喋りまくる態度・見た目の印象が良くなかったのである。それは偏見に近い生理的な相性みたいなものであるから大した根拠はない。
それはともかくとして、舛添要一は石原の発言を受けてキッチリと切り返しているのである。舛添曰わく。
『石原さんの言うように、北朝鮮の拉致問題は憲法9条の有無とは関係ない。憲法9条がなくても今の北朝鮮は拉致でも何でもする国で、拉致問題にかこつけて憲法改定を言うのはファシズムのやり方だ。』と喝破したのである。
即ち、国民の不安や不透明で閉塞的な気分・感情を利用して台頭した、ヒトラーのファシズムになぞらえた舛添なりの警鐘である。
返す刀で舛添は『いまの国会に求められているのは品位です。』と訴えた。全くの正論である。劇場選挙もレトリック演説も国民はもうホトホト聞き飽きている。