イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

参院選の低投票率 メデイアの責任

2019-08-20 18:54:48 | 社会・経済
 論壇時評(東京新聞2019年7月31日)では中島岳志氏(東工大教授)が、今般の参院選挙の投票率の低さについて述べている。そして、その責任はメデイアに在ると指摘している。イワン・アサノヴィッチも同様の見解をもっている。

投票率を下げるためにはメデイアが選挙報道を積極的にしないほうが良いのである。アベ内閣になってから、テレビメデイアの自主規制や萎縮が繰り返し話題になっている。
調査によれば民放報道では、選挙関連の時間が4割も減っているという。すなわち有権者は必要な情報を手にする機会を確実に失っていると言うことになるのである。

映画監督の想田和弘氏も「れいわ新選組」の山本太郎現象をテレビが報道しようとしない事を批判している。政治に対して最も影響力のあるテレビが『公平性』を装いながら、実は既成の勢力に味方し真に新しい勢力の参入を阻んでいるとしている。

脳科学者の茂木健一郎氏は、電波という公共財を独占して使わせて貰いながら、『選挙期間中』にまともな政策論争、比較、分析の番組を作ろうとしない日本のテレビと指摘している。そして、『投票率低いですね・・』などと他人事みたいに報じるなと論じているのである。けだし名言ではあるまいか。

こんな中でも、メデイアの中に自己反省と思しき契機が生まれつつある事が覗われると指摘している。すなわち朝日新聞:牧内昇平記者が「れいわ新選組」の動きと支持者の声を紹介したのであるが、「生きづらさの、うねりがここまではと・・」と驚きながらも、山本太郎の「生きててくれよ!」という訴えに共鳴し「れいわ新選組」に寄付をする支持者らの様子を取材し『悔いのない人生を送るために、自分は社会とどう闘っているのか自問した』と牧内記者が述べているのである。
一方で中島岳志氏はテレビメデイアの政権から強いられた「自主規制」の中で、WEBメデイアは新しい可能性を示しつつあると指摘している。今回も朝日新聞のWEBサイト(論座)では公示前に有力な野党政治家が次々と投稿し読者に対して多角的な争点を提示したことに触れている。そして、WEBメデイアが選挙前の政治家たちが、文章によって議論を交わすという重要な場になるのではないかと観ている。

社会的には「非正規の労働者」や「シングルとなった若い親子」らにとって、『どうせ変わらない あまり関係ない』という諦念観や無力感が生まれている。政権任せにせず、メデイアが奮起して喚起させて欲しい。