イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

スノボ國母選手と自民・河野太郎

2010-02-23 13:15:37 | ニュース

 バンクーバー冬季五輪のスノボ・ハーフパイプに出場する國母和宏(21才)の腰パン・鼻ピアス・ゆるネクなどの服装や態度が善くないとカナダ入国の際に評判となった。

その後の記者会見でも國母選手の言動がひどいと日本では大々的に報道された。記者の質問に『チェツ、うるせーな』などと応えたりで国内では大ブーイングである。

面白いことに自民党の河野太郎が自身のブログで反応し、その内容が報道されたが『國母よガンバレ!オレは応援するぞ。』と励ましていた。
河野いわく『ルールと人それぞれの価値観は別である。』と記者会見で応援する理由を述べた。

河野太郎は昨年の総選挙で大敗した直後の自民党総裁選挙に出馬した。河野は解党的な出直しをしない限り自民党はダメになると称して、古参議員を名指しで批判し一線から退くことを要求し訴えた。自民党の守旧派から総攻撃を受け総裁選に負けると同時に党役員からも遠ざけられた。

河野はいわば干された状態で孤立無援である。そんな彼から見れば國母選手の腰パンがどうの口のきき方がどうのと言う事は騒ぎ立てるほどのことではないと言うわけである。

確かに五輪選手と言えどもプライベートな時間に服装などの規則が在るわけではない。従って各選手は自らの価値観に基づいて自分の服装を決めれば良いのであろう。

そこは河野太郎の言うとおりである。しかし問題は”価値観とルール”のみに國母選手の言動を収斂(しゅうれん)させてしまった河野に見落としがあることを指摘せざるを得ない。

”礼儀”である。河野の総裁選挙で執った態度にイワン・アサノヴィッチは問題はないと思っている。否むしろエールを送りたいくらいである。

政治家であろうがオリンピック選手であろうが一市民であろうが礼儀は共通に心で感じ合う所作であり、「価値観」で違いが生じて通訳を必要とするようなものでは無いはずである。

國母選手に欠けていたものはルールや価値観ではなく礼儀である。彼のマウスピースに書かれている「サムライ」と言う文字が泣く。


”石原銀行”の愚

2008-03-20 23:43:44 | ニュース

 石原東京都知事が設立した新銀行東京が僅か3年で破綻寸前となった。

初年度から累積損失は300億円を超え、いまや1000億円に迫ろうとしている。

石原はこの2月都議会に400億の追加出資を提起し、紛糾している。

3年前の設立時に、自民党は『是非、実現すべし』と賛成し、民主党も『新銀行は夢とロマンが持てる』ともてはやし、公明党に至っては『東京発金融革命』と絶賛した。

そこには二大政党制とはほど遠い、自公民による大政翼賛政治の姿が浮かび上がる。我がまちの市議会のていたらくとうり二つである。

それはともかくとして、石原の”盗人猛々しい”的な都議会への主旨説明では『墜落寸前の飛行機に緊急に手を打つことだ』と脅迫・狂乱の言葉が飛び出す始末である。

既に各マスメデイアはこぞって「撤退・失敗・手を引け・幕を閉じよ・元凶は知事」と厳しい批判が続出している。週刊誌レベルでは「知事の傲慢経営・独断専横・トップダウンの愚」を指摘する論調が出ている。

ここに至って石原はなを、旧経営陣に裏切られたみたいな責任回避的発言をしているが、そもそも大塚副知事や津島局長らの側近を銀行に送り込み、”石原銀行”の異名を携え経営されてきたものである。

いまになって惚けたことを言うなと言いたい。おまけを言えば、息子の絵画を銀行に買わせたりしているから何ともセコイ限りである。

封建時代の世ならばいざ知らず、城主の一声で十分な算段(ノウハウ)もなく強行した銀行業である。民主主義の時代では、この種のことを「税金の無駄使い」と言うのである。

3年もしないうちに墜落しそうな飛行機をそもそも離陸させたのが間違いなのである。

石原銀行一族は私財を投げ打ってでも責任を執れと迫った共産党都議に、石原はこともあろうに答弁拒否をした。

改めて石原に言いたい。盗人猛々しいと。


ブラボー!胴体着陸の機長

2007-03-19 23:10:10 | ニュース

 13日、高知空港で胴体着陸事故があった。幸いなことに死傷者は一人もでなかった。

カナダ製の航空機で、前輪が出なかったためである。操縦や整備不良という問題ではなく、どうやら製造上・構造的な原因らしい。それでなくともとかく故障の多い航空機で、「空飛ぶシンドラー」などと報じられている。

 ニュースのビデオの画面には、胴体着陸機は殆ど上下左右の振動もなく、まるで油の上を滑るように滑走路に入って来る映像が流れていた。

やがて機首が滑走路と摩擦を始め、大きな火花が飛び始める。しかし、急制動は禁物だ。炎上も覚悟で着陸行為を続行しなければならない。機長としては、この時間がジレンマであったと思う。

パイロットとして最高の技が披露された。見事に横転も炎上もなく胴体着陸した。

降り立った乗客たちは異口同音に機長が冷静だったと称賛していた。機長は機内で着陸の方法を乗客に説明したそうだ。訓練を十分にしているから安心してくれとも言ったそうだ。

そして、機内の重量バランスを取るために、乗客を前後左右均等に着席移動をさせたという。また、乗務員には落ち着いて指示・指導業務をするよう命じたという。

大惨事になるかも知れない直前に、実に見事で冷静な機長としての言動である。

私はかねがね、管理職者は部下の人心を掌握・統率し、組織(部下)の矢面に立って決断する存在であると考えていた。

この機長はその原則を究極的な場面で見事に実践・証明した。それに付けても、世の企業やお役所に、この機長に比肩する管理職者が如何ほど居るものか…。


少年の命が「規制緩和」で奪われた

2007-03-14 23:21:01 | ニュース

 先月、貸し切り観光バスが高速道路で事故を起こし、添乗員1名が死亡した。

私は業務上過失致罪に問われるかも知れない、運転手を悪く見ることが出来そうもない。

2005年の貸し切りバスに関する規制緩和が始まってから、国交省の調査によっても明らかなように、この5年間でバス会社は1.7倍になった。一方、事故は5.4倍(2005年は車両事故も含む)に跳ね上がった。しかし売り上げは83%に落ち込んでいる。

国交省の発表している数字は、過当競争の実態を雄弁に物語っている。

運転手の休日は死亡事故を起こすまでの19日間、たったの1日だけだったという。

過当競争は労基法を押しのけ、やがては真面目に働いている労働者に犠牲を強いる。

私は「規制緩和」や「機会の平等」に反対ではない。しかし、これにはきちんとした監視と違反摘発が必要だ。

金融庁・環境省・税関・食肉検査・刑事警察職員などはむしろ増員が必要なくらいだ。

入学試験を甘くし門戸を広げる、進級試験や卒業試験は従来どおり甘ければ結果は推して知るべしである。

死亡した添乗員(15歳の少年である)はエセ「規制緩和」の犠牲者ではないかとさへ思える。業務上過失致死罪に問われるかも知れない運転手の弟だったのである。


高校の未履修問題に思う

2007-02-15 23:34:36 | ニュース

 高校の必修科目になっている教科を意図的に外していた学校が続出したニュースは記憶に新しい。

私は、高校生の学習能力が低下していて、十分に教えきれなかった結果だと思っていた。しかし、驚いたことに、事実は逆で進学校や東大入学者を大量に送り込んでいる有名私立高校でこの未履修問題の存在が明らかになったのである。

すなわち卒業後、人生や生活に必要な糧となる教科・科目(社会科系や実技科系)を意図的に未履修にさせ、その分を大学入試に必要な英語・数学・国語系の時間に割り当てたのである。

学校間競争が熾烈になっている昨今、有名大学に合格させると言うことは、教育関係者という鉄面皮の輩(そして残念ながら少なからずの親たちも入っている)にとっては、もってこいの 「学校教育の成果」と映るらしいのである。

教育における成果とは一体なんなんでしょうか?

成果で競争し、学校が父兄によって選ばれることを是認する文科省の役人も、未必の故意の共犯者のように思えて仕方がない。

教育という場に、『競争のないところに成長なし』だとか『格差や差別化はあって当然』などという、企業や経済・市場の論理を無定見に当てはめているのではないだろうか。

声高の喧伝に右へ習え的に煽られる日本人の”悪ノリ”の一例である。