イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

ひとつの定年退職

2009-04-20 11:09:18 | 日記・エッセイ・コラム

 朝日新聞(H21年4月19日付け、朝刊35面)の「ヒラで定年、あゝ上野駅」の見出しが目に飛び込み、長めの記事であったが一気に読んだ。

イワン・アサノヴィッチも3年前に某役所を定年退職したが、事実上のヒラで定年という身であった。

そんな同じような境遇に興味・親しみが湧いて、記事を読んだことはいうまでもない。

もひとつ感動したのは記事中の人物(佐伯憲治氏、以下敬称略)が、定年まで単身赴任で暮らしていたワンルームマンションの荷物片づけのことである。

佐伯はテレビとうす汚れた布団を残し全てを捨ててしまったのである。『それがサラリーマンの正しい姿』と威勢よく言ってのけた。

…この3月にイワン・アサノヴィッチは定年後の再雇用の3年間を終えて完全リタイアしたのである。

役所の机やロッカーにはかなりの私物があった。家に持ち帰ればみんな使えるものばかりであったが、職場専用の老眼鏡を除いてすべて捨ててきた。

捨てるに躊躇したものも少なからず在ったがすべて捨ててきた。愛着と言えばキレイだがその陰に未練みたいなものがくっついていたからだ。

多分、佐伯もそんな自分の心をこの際にサラリーマンの一切を精算しようと思ったのであろう。

ただひとつ、捨てるに最後まで迷った物が一つあった。それは履き慣れたメッシュの革靴であった。

水虫持ちのイワン・アサノヴィッチは冬場を除いて役所では職場専用のメッシュの革靴を愛用していたのである。

退職後、家の中でこのメッシュの革靴を履くことなどあり得ない筈なのであるが、何年もの間、役所の中で”苦楽”を共にしてきたメッシュを捨てるには忍びがたい気もあったのである。でも、やはり捨ててきた。

何十年来の持病である水虫とこの際、精算できるかも知れないと思って(笑)…。さらば!サラリーマン&水虫である。


イワン・アサノヴィッチ リタイア!

2009-04-18 12:58:04 | 日記・エッセイ・コラム

 サラリーマンの大きな目標、定年退職。イワン・アサノヴィッチは63歳となり、再雇用の期間を終え、3月31日にリタイアとなった。

3年前に60歳で規定の退職はしていたのであるが、この3年間は高齢者雇用安定法の基で再雇用という形で週3日ほど勤務をしていたのである。今回は”完全リタイア”である。

まるで、夏休みになった時の小学生のように、嬉しさがこみ上げて来ることを押さえられない。

イワン・アサノヴィッチは決して自身をナマケモノとは思っていないが、会社や仕事に個人の時間が縛られてしまうことは厭だった。

自分の時間、自由な時間、すなわち”自主と創造”を愛していた。

夏には家族とキャンプに出かけ、少年野球の指導者になって子どもたちと一緒に遊び、農家から畑を借りて野菜を作ったりして来た。

労働組合の役員もした。会社や上層部からのトップダウンだけを受動的に待つ主体性のないサラリーマンになるのが厭だったからである。

あと1回だけ出勤すればリタイアという3月の末に3連休があった。

残された、たった1回の出勤日を愛おしみ、しみじみと3連休を過ごすのかと思っていたが、『あ、3連休だ。嬉しい!』という具合で、最後まで会社人間ではなかった自分に我ながら感心し苦笑いをしてしまった。

週3日勤務という再雇用期間の3年があったせいであろうか、気負いを持つこともなくスンナリとリタイアに突入できた。

3日間ぐらいは、あさ目が覚めると『あ、もう会社に行かなくて良い!』と嬉々とした気持ちになったが今はもう当たり前的な気分で目が覚める。

これからは待ちに待った”個人生活100%”の時代である。決して大きくはないが自分なりの企てもある。有意義に生きて行きたいと思っている。