イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

若者に”新俳句”の動き

2009-02-23 23:53:35 | うんちく・小ネタ

 2月22日の夜、TVのドキュメント放送で、10代から20代の若者のあいだで俳句が隠れた人気になっていることを知らされた。

そんな中、東京のある私立中学では、生徒全員に季語にとらわれないで良いという条件で、俳句を作る宿題を出しているそうだ。その反響が興味深く放映されていた。いわば新俳句の動きとも言える社会現象なのだそうである。

毎日の通学の中で詠んだのであろうか、生徒の一句である。『 春告げる サクラ草かな 駅のすみ 』(細かなテニオハに記憶違いがあるかも知れないが、ご容赦のほどを)。

中学や高校の生徒が詠んだ句だからこそ、大手を振ってやって来る”春”を捉え、華々しく表現しようとする大人やプロの了見が全くなく、そしてまた、てらいや気負いも無い素直に目にしたまま、身の回りの春を詠んだものと思われる。

駅のすみにきちんと、春を見いだす無垢な鋭さを感じさせられる。

俳句を詠んだことのないイワン・アサノヴィッチは共感を覚え且つかかる運動・動きを歓迎したいと思っている。

10代の若者がデジタル尽くしの生活の諸々から少し離れて、たった17文字とはいえ、自身の頭の中だけで思考した読み書きをすることは、人間形成にとって必要な事柄ではなかろうかと思っている。

そこで”兼々業農家”を目指す、イワン・アサノヴィッチも一句。とある日、畑で農作業をしている合間に詠んだ”新俳句”を一句。

『さっきまで 無かった一本 飛行機雲』。

どうぞ、ド素人が詠んだ句であることを値引きして味わって頂きたい。


中谷巌氏の見事な懺悔

2009-02-11 01:27:45 | 社会・経済

 小泉構造改革路線の旗振り役であった、中谷巌氏が見事な懺悔をしている。

氏の近著「資本主義はなぜ自壊したのか:集英社インターナショナル」の序章を読み終えたばかりであるが、イワン・アサノヴィッチは驚き感動した。

序章を読んだだけで感想などを述べるのは早計なことかも知れないが、小泉構造改革路線の過ちを認めた見事な懺悔であると言える。

一文を紹介しよう。

『グローバル資本主義とは、結局のところ行きすぎたアメリカ型の金融資本主義であった。』『小さな政府と規制緩和と自己責任がセットでまかり通り』『モラルは無くなり、勝ち組になることだけが目的となり』『日本社会の安心・安全と人の絆が無くなり、社会的関係も解体される”危険思想”であることに気が付いた。』という具合である。

これは序章のほんの数ページに記述されている事柄である。

小泉は彼の竹中平蔵と組んで、「構造改革、コウゾウカイカク!」と騒ぎ立ていたのである。

しかし、結果は中谷巌氏の懺悔の中で指摘している通り、たかがローン会社(サブプライム・ローン)のひとつが倒産しただけで、行き過ぎていたアメリカの金融型資本主義は大手の証券会社(リーマン・ブラザース)を一溜まりもなく蹴散らし、余波は”グローバル”に駆けめぐり100年に1度と言われる大不況をまき散らしているのである。

中谷巌氏の米国留学と米国での経済活動から編み出された、構造改革路線の理論による実践の失敗は、やはり張本人の中谷巌氏が一番よく認識している。だから、懺悔している。

懺悔は当然である、と言うのは簡単だが勇気を必要とした行為であり、中谷巌氏に敬意を表するものである。

イワン・アサノヴィッチは経済学や金融論は不明であるが、労働運動は些か経験している。

小泉のコウゾウカイカクという言葉がマスコミ等でうるさく言われ始めたころから胡散臭いものが、のさばり始めたと思っていた。

だから拙いブログにも関連記事を発信したものである。単一民族・単一言語・宗教ごった煮(アイヌ民族の否定を意味しない)の日本社会に、これ以上の格差拡大は行き過ぎになり、日本社会が壊れると直感したからだ。

正月の、リストラされた労働者のテント村の出現は、同情に耐えない話しである。残念ながら経済学素人の予測が、いま的中し始めているのである。