畑では相も変わらず、スマフォで歌謡曲を聴いている。
CDレンタルでデイック・ミネ特集を借りてituneで取り込み聴いている。
戦前からジャズを歌い、軍部に反骨したデイック・ミネは好きな歌手だ。
労働歌がわりに何回も繰り返し聴いている。
中でも「長崎エレジー」は好みの曲となり、数十回聴いている。
戦後まもない頃に創られたポルカ風の明るい歌謡曲である。
イワン・アサノヴィッチは、たまたまユーチューブにアップされた長崎エレジーを動画と一緒に見て、コメントを入れた。
『テンポの良い明るく親しみ安い曲です。昭和の叙情歌謡の名曲です。』
このコメントはフエースブックにもリンクしていて公開された。
畑で何回も聴いているうちに不思議なことに気がついた。
♪サンタ・マリアのカネが鳴る♪とか♪親が無ければ孤児(みなしご)の♪とか
♪結べ夜霧のアベ・マリア♪などと言う歌詞が並ぶのである。
なにやら宗教的で鎮魂歌のような響きが在る。
はたまた、悲しみを超えて明るく生きることへの応援歌のような響きも在る。
そうか!この曲は、米国に寄って原爆を投下された長崎の歌なのだと言うことに気がついたのである。
被爆で亡くなった人々への鎮魂歌であり、
遺族であり、遺児でもある子ども達への応援歌でもあったのだ。
作詞家の島田馨也氏がどのような思想や考えを持った人なのかは識らない。
長崎は古い開国の町で、日本におけるキリスト教布教の拠点でもあった。
キリスト教国のアメリカがそんな町に原爆を落としたのは偶然かも知れない。
当時の長崎は未曾有の計り知れない悲劇が始まったばかりだった。
エキゾチックで叙情的なメロデイーの中に秘めたエレジー(=悲歌)には、ひょっとしたら、歌手・作詞・作曲家の痛恨の思いが込められて居たのかも知れない。
表だって占領国アメリカを批判することは不可能だったはず。
しかし、エキゾチックで歴史のあるまち長崎を訪れた音楽家たちは、自分たちの思いを音楽に託して表明したのではなかろうか。
長崎エレジーという曲は、単なる港町の叙情歌謡の名曲などでは無かった。
イワン・アサノヴィッチはユーチューブに入れたコメントと同時にフエースブックに公開されたコメントを削除した。
ご参考までに:URL https://www.youtube.com/watch?v=K2PAQ8j6wnI