古代米(クロマイ)と言われている種類のもので濃い紫色をしていて穂は細い。切り株の芯も紫色(写真)である。
稲の細胞に含まれる珪酸の固まり(プラント・オパール)の有無で稲の存在が確かめられるようになり、日本にはの6000年前(縄文前期)から稲が存在していたそうだ。(考古学から見た日本人:大塚初重著)
縄文時代にすでに稲があったとは驚かされる。しかし、ワクワクさせられる。
今日はそのクロマイの収穫である。農地整備や営農技術はなかったから生産性は極めて低くかったといわれている。NPOのリーダーの小林さんとそんな話しをしながら稲刈りを始めた。
天気は稲刈り日和、無心に稲の株を刈り取る。単調で根気が要る。ストレスの多い現代人は暫し縄文人になった気持ちで作業を続ける。気持ちが和らいでくる。
その時『アッ』とリーダーの声。鎌で指を切ってしまったのである。『ここは縄文時代だから、生産性が悪い、働けなくなった人は喰うべからずだからね!』と厳しい冗談が飛ぶ。
『イヤア、分け前が貰えないとこの冬は飢え死にしちゃうから、無理して働きますよ。』とリーダーから冗談の返事。
多分、心優しい縄文人は相互扶助の精神で、ケガをして働けなくなった仲間を助けたに違いない。仲間を飢え死になんかさせるような、忌まわしい”格差社会”などではなかった筈だ。
精神的にはいまよりもズッと豊かだったような気がする 。