イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

坂本龍一と東北地震の被災地の子ら

2021-03-29 11:30:25 | 社会・経済
 東京新聞(2021年3月 4日:夕刊)に、音楽家・坂本龍一の近況記事が載っていた。
即ち、東北震災地の子どもたちと音楽を通じた氏との交流活動に関する記事である。
震災で残った楽器を修理手入れしながら音楽に親しむ、小学生から大学生までのチームと「希望の楽団=東北ユースオーケストラ」を結成し、音楽を通じてこれからも成長していく事を目指した活動をしているという内容の記事だった。
 読み終わった時に、さすがに坂本龍一だとイワン・アサノヴィッチは思った。一流の音楽家が東北震災地の子ども達と一緒になって、まさしく音を響き合わせる喜びを再確認している姿だ。
近年、パフオーマンス狙いの人間が芸能界のみならず、政治・政界の場にも現れ始めている。見っとも無いことだ。
しかし、坂本龍一氏の活動はそんなレベルを通り越し、崇高ささへ感じさせるものである。 事実、この楽団から本格的にミュージカルの仕事に進んだ女性のフルート奏者も現れたとのことだ。
芸術家が“ひとり孤高の世界”に閉じこもり、その境地を展開する活動もある。
また、しかしになるが、坂本龍一氏の如く、震災地の子どもたちと一緒しながらの音楽活動ともなれば、意味合いは少しく違って来るのだろう。 
と言うよりも、文化・芸術・芸能活動が、そもそも人間社会に無関係に存在すること自体があり得ないことなのである。
 近年のスマホやネットの爆発的な普及に伴って、一方ではじっくり文章を読んで時に周囲の人たちと話題になったり議論になったりという光景は殆ど見られなくなってきたのである。
余談になるが、週刊誌の記事がいっときの受け狙い、あるいは売り上げ狙いのために、荒んだ記事の大見出しで発行されるケースが増えて来ているようにも見える。
共産党の機関紙が「政官財癒着ムラ」の接待問題に鋭いスクープを放っている裏には、政治問題だけでは売り上げ増に繋がらないという出版社の営業と編集スタンスが在るのではないかと疑わざるを得ない。
 坂本龍一を初めて知ったのは、映画「戦場のメリークリスマス:1983年公開」を鑑賞した時である。主演と同時に音楽担当もして、主題曲も異色を放ち日本人作曲家とは思えない旋律で、イワンは強烈な印象を受けたものであり大いにヒットした。因みにデビット・ボウイとビートたけしが共演したことでも、とことん異色な映画であった。
 ともあれ、この東北ユースオーケストラでは彼の私財を投じての活動が多分されているだろう事も推測できる。芸能人はともあれ、パフオーマンスに腐心している、政治家や知事さんたちは、氏の爪の垢でも煎じて飲むことをお勧めする次第だ。