イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

「民活」のなれの果て AIJ

2012-03-03 17:05:31 | 社会・経済

  投資顧問会社のAIJ(浅川社長)が企業年金から預かった約2100億円の資産の大半を失っていることが判明した。金融庁は金融商品取引法に基づき1ヶ月の業務停止命令を出した。<o:p></o:p>

 企業年金とは厚生年金などのような公的年金とは別に、企業が社員のために用意する私的年金である。加入者は1697万人(2010年現在)だと言うから膨大な勤労者が損失と老後の不安を被ることになりそうである。<o:p></o:p>

 関係者によるとAIJには安川電機などの大企業の基金もあるが殆どは中小・零細企業が業界ごとに集まってつくる厚生年金基金が多いという。<o:p></o:p>

 これは1990年代に始まった「経済のグローバル化」「市場経済主義」に歩を併せるように飛躍的に伸びた業種であり、現在は247社が営業していると言われている。<o:p></o:p>

 小泉純一郎が『民で出来る事を民がやって、なぜ悪いのか』と一つ覚えの“号令的政策”の下で増殖した業種である。時を同じくして民間に規制緩和された「建築確認申請許可業務」の制度を悪用して「アネハ建築設計事務所」が営利目的で虚偽の許可証を不正発行した。<o:p></o:p>

 建築基準法違反の建物が全国いたる所に出来上がってしまい、中には不動産会社と結託して最初から違反不動産物件を造り販売していたケースもあった。<o:p></o:p>

 民に任せてはいけないモノが在ったにも拘わらず、拙速に「民活」に走った小泉・竹中構造改革路線の重大な瑕疵を指摘せざるを得ない。<o:p></o:p>

 少なくとも、規制緩和をするからには監視態勢の制度システムを強化しなくてはならなかった筈だ。規制が強かったから今までは監視が緩くて済んだのだろうが、規制だけを緩和して監視・処罰が甘あまでは営利至上主義が蔓延してしまうことは子供でも分かる理屈だ。<o:p></o:p>

 イワン・アサノヴィッチは規制緩和に必ずしも反対ではない。しかし、いままでのように出口がユルユルなのに入り口もユルユルにしたのでは、無垢の国民がずる賢い利権屋や資本家の犠牲者になるだけだ。<o:p></o:p>

 アメリカの環境省や金融庁の職員数は日本のそれと比較して2倍から4倍を要しているという。現に金融庁による投資顧問会社への立ち入り検査は16年に1度という無監視のような状態が実態だ。いかに日本の「市場経済主義」とやらが安直な代物であり且つ「経済のグローバリゼーション化」が拙速であるかが理解できよう。<o:p></o:p>

 AIJによる不正な資産の運用は氷山の一角、小泉の“号令的政策”民活のなれの果てだ。そもそも年金という国民の老後の安心など“民”には任せられない証拠ではないか。<o:p></o:p>

 


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1 コメント

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お説の通り、ごもっともと思います。 (香取のイケメン爺)
2012-03-05 22:29:25
お説の通り、ごもっともと思います。
現在チェックが機能している機関は公取委くらいじゃないですか?原発の保安検査にしろ、オリンパスの会計監査にせよ、今回のAIJの監査にせよ官僚と政治家と業界が国民のことを考えているとは到底思えないシステムにして誰も責任を負わないこの現状。悲しい限りです。
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