TVスパモニ(9月21日放映)のゲストコメンテーターに、元検事の大澤孝征弁護士が出演して居る。尖閣諸島沖の中国船長逮捕に対する中国国内の反日行動の話題である。
大澤弁護士は「そもそも中国は尖閣諸島の領有を予てより主張している。領土問題は国際司法裁判所提訴などの方法がある。しかし司法的方法を執る事なく、「政治」が「司法」を抑える形で反日キャンペーン行動などが仕組まれている」と指摘。
中国ではきちんとした三権分立が確立されていないと言う。
沖縄地検の、逮捕した中国船長の勝手な釈放も同じようなものだが、暴動まがいの政治問題化までは日本ではあり得ない。大澤弁護士が翻ってコメントしたことが意外感として残ったが、考えてみれば氏の言うとおりである。
大澤弁護士は中国の三権分立を言う前に日本国内での三権分立の実態を批判した。即ち、この65年間というもの日本の司法はこと駐留米軍・米兵の犯罪に如何なる毅然を以て司法的な対応をして来たのか? という問題提起である。
米兵による交通事故で殺された幼女がむごたらしく路上におかれた脇で、手を拱いているだけの日本の警察官の写真は衝撃的であった。沖縄のみならず、米兵による婦女子暴行・強盗致死・ひき逃げ等々の事件は頻繁に引き起こされてきた。
事件・事案が発生しても殆どの犯人は「日米地位協定」という不平等条約によって逮捕・起訴されることなく済まされてきた。政治の歪んだ貧弱さが司法をも歪めてきたのが戦後日本の実態であった。
今回の中国の歪んだ姿を批判するなと言っているのではない。足下の歪んだ政治が歪んだ司法を生んでいる日本の実態を猛省すべきであると言いたいのである。
人の振りみて、我が振り直せの諺どおりである。