イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

「たちの悪い大阪市長」

2012-02-26 20:14:45 | 社会・経済

 

  橋下大阪市長は府知事時代から引き続いて今なお、世間の意表を突くようなことを言い放っている。
最近は「船中八策」などと龍馬気取りの上から目線で物を言うようになっている。そこにまた、乗っかる某都知事や与党の幹部の手揉み姿が見苦しい。徐々にだらしのない正体を露呈し始めているマスコミの追随的煽り報道の姿も胡散臭い。
 

イワン・アサノヴィッチは橋下大阪市長の発言のすべてを否定するつもりはなく賛成する部分も少なからず在ると思っている。
イワン・アサノヴィッチは某自治体で働いた人間である。所属はいわゆる公共事業職場の職員であった。
 

今回の橋下大阪市長が業務命令で真っ先に実施したことは、職員基本条例に先立った「職員アンケート」と称する、職員個人の思想調査である。この調査の目的は、有り体な言い方をすれば、職員の政治的な発言や行為の内容を白状しろと言う中味である。

下記ブログの一節を紹介しよう。
『橋下市長のタチの悪いのは、彼は弁護士として、これらが思想調査であり、業務命令と成り得ないことを百も承知しているということです』。

すなわち大阪府労働委員会から中止命令が出されることも承知のうえのことであった。しかし、この調査を通して職員への”恫喝”による”支配”を強める効果を達成しようと言うのである。まさに独裁者の為せる業である。”ハシズム”と揶揄される所以でもある。
 

教育評論家の”屋木ママ”こと尾木直樹氏が、早い時点で橋下の言動の本質を見抜いていたのであるが、橋下の言う職員基本条例は”職員監視・処罰条例”に他ならないとの指摘は的を射ていた。

自民党県政の下で政官財癒着に塗れていた現役時代の業務の数々を思い出しながら、若しイワン・アサノヴィッチが「情報開示に耐え且つコンプライアンスに則って自由に業務に励め」と知事に言われていたら…。否々、県庁の多くの職員は県民奉仕に燃えた効率的な業務を全うしたに違いない。

監視や処罰ではなく、信頼されてこそ人間はそれに応えるべく働くのである。
人を信頼出来ない人間、人を愛することの出来ない人間が、いま大阪で市長をしている。

職員のみならず、市民にとっても不幸なことである。


シンポジュームの宮城まり子

2012-02-08 10:57:28 | 日記・エッセイ・コラム

 2月5日、市役所主催で「まちづくりシンポジューム」が開催された。
市の都市計画のボランテイアをしているイワン・アサノヴィッチにも参加要請の通知が市役所から来ていたので参加した。

パネルデイスカッション方式で運営され、パネラーに宮城まり子氏が居たことと、わが町の障害者福祉の運動家・伊佐勉氏 (ご自身も視覚障害者です)がパネラーであることに強い魅力を感じて参加したのである。

 宮城まり子氏は85歳であり身体の衰弱は否めないが、クリクリとした大きな目が今なお女性の可愛らしさを残している。イワン・アサノヴィッチは終始、宮城まり子氏の発言に関心を持ち集中させた。

冒頭から母子家庭で育ちながら、その母と弟を幼くして亡くした後の気持ちを、過剰な悲壮感もなく綺麗な声で淡々と語っていた。『お母さんが恋しくて、恋しくってね。』
シンポジュームの始まりからイワン・アサノヴィッチの目頭は潤んでしまった。

子育て・福祉がシンポのテーマであったが、彼女はコーデイネーター(見城美枝子)の采配をあまり気にせずスッと手を挙げて、あのね…などと言いながら喋り始めてしまう。一見すると会話が噛み合っていないかの如くに思える。

『お家の前の道をね掃除する時、少しだけお隣さんの所も掃除してあげると良いのよ。するとお隣さんも同じ事をして、いつの間にか長い道が綺麗になっちゃうのよ。』

子育てにせよ介護にせよ福祉の世界に必要なものは、法律制度・システムばかりではない。そこに生き・携わる人々の”自利利他”の精神や慈悲のこころが交わるような社会の存在が必要なのではないか、と指摘しているのである。

宮城まり子氏は演説ぶったり・講話ぶったりはしない、平易な言葉と会話方式で福祉・子育てのあり方や精神を述べているのである。

彼女が運営する施設の部下や関係者が5億円以上の詐取をしていたことが判明している。一見すると痴呆がかったように見える85歳の老女では、施設の運営もままならないのだろうと思える。

娑婆世界で身近な人間から5億円にのぼる詐取をされていながら、ますます”自利利他”と慈悲の心を説く氏の姿に感動した。同席していたパネラーの高橋洋二日大教授は『宮城まり子さんの御発言は本質的なものです。』と論評していたが名言である。

宮城まり子氏の経歴紹介に、「宗教者」も加えなければいけない。