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鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

映画:空母いぶき

2019-05-29 23:55:33 | 演劇・映画

昨夜からの雨もやみ、急速に空気が乾いてきて、湿度の低い明るい曇り空の一日。

昼前に、隣市のシネマ・コンプレックス付近で、相方と待ち合わせをして、ランチ。

そのあと、『空母いぶき』を鑑賞。

 

『空母いぶき』新予告編

 

日本という国が、憲法9条に縛られて、侵略を受けながらも、攻撃できないジレンマを目の当たりにして、物語は進行してに行く。

専守防衛が、自衛隊の基本方針というか、日本という国の『戦争』に対する自虐が、戦後70年経っても、消えることがなく。

いい加減、本当のコトが、知りたいと思いながらみていた。

自衛隊は、事実上、軍隊と言えるのだろうけれど、軍隊ではないし、空母の無いハズの日本も、護衛艦『かが』を空母に改造することが決定した(らしい)。

そんななかで映画・空母いぶきは、公開された。

第二次世界大戦中とは、違い、現在は、電子戦で、空母でも、護衛艦でも、船体の鋼鈑が、薄くなっていて、一発でも攻撃を受ければ、そのダメージは、計り知れない(らしい)。

前回、潜水艦映画・キラー・ハンターを見たとき、はじめて知ったのだけれど、魚雷とかミサイルは、照準を合わせると、その攻撃対象物の電波だとか音波だとかそんなものを感知して追っかけていくんですってね。恐いわぁ奥様(奥様は、いつも守られているから、武器弾薬などの戦争関連には、疎いんである)。

映画は、特撮とCGで、作られているのだけれど、最近の映像技術ってすごいのねぇ。

主演・西島秀俊、佐々木蔵之介という・・・ヴィジュアル的にも、スタイル的にも似たような優男系のふたりの(わりと)控えめな静かな演技を続けているという・・・戦闘映画?とは、ちょっとそぐわない人物設定だったような???気がしないでもないような(決して、悪いわけではないです)。

まあ、電子戦ですからね。

ワタシ的には、護衛艦いそかぜの艦長・山内圭哉が、舞台系の俳優さんで、攻撃命令を、『いてまぇ!』と叫ぶシーンが、なかなかディープでヨカッタね。海自のキャップを被っていたので、スキン・ヘッドは、見られなかったケド。

 

映画『空母いぶき』本編映像(護衛艦いそかぜ)

 

映画的には、充分、面白かったし、日本が抱えている防衛問題と戦争についての自虐意識、お花畑の国民など、考えさせられることも多かった。

公開前に、首相役の佐藤浩市が、問題?になったみたいだけど???どうなんだろうなぁ・・・現・首相は・・・結局、護衛艦・かがの空母化で、なんとなく・・・な気もするけれど。

 

 


映画:KINGDAM

2019-04-24 02:33:44 | 演劇・映画

風爽やかな初夏日続く。

 

昨日(23日)は、、朝から、隣々市のシネマ・コンプレックスへ、『KINGDAM』を鑑賞に。

三国志の時代よりも、遡った中国大陸でのお話。

・・・コレは、本家本元の中国のひとからみたら・・・たぶん、日本人が、『ラスト・サムライ』とか、『サムライ・マラソン』を見たときに思う或る意味、違和感?みたいな感想を抱くのかもしれないなぁ・・・などと思ったりして。外国人が作った日本の時代劇にありがちなあの違和感。

日本人が作った中国歴史映画。中国的な感覚としては、どうなんでしょう???中国人じゃないので、よくわからないんだけどさ。

 

 映画『キングダム』本編映像解禁!

 

 

目を引いたのは、秦国王役の吉沢亮のノーブルさでしょうか。もともと美形だし。貴族的な気品もあったりで。

その対称としての奴隷からの脱却を夢みるシン役の山﨑賢人。頑張ってはいるものの、どうもチカラ強さが足りないような???もともと細身の俳優さんなのだけれど。

細身・・・と言えば、オウキ役の大沢たかお。顔と身体が、何故か物凄いアンバランス感。そういう役柄だから???顔というか頭が、何故か、とても小さく見えた。

カベ役の満島真之介、カッコイイ!でした。

山の王役は、長澤まさみ・・・まあ、彼女しかおらんかったのだろうかなぁ・・・?天海祐希あたりが、若い頃に演じて欲しかった役でもあったかも?

テン役の橋本環奈・・・どうでもいいが、まあ、可愛いのかな。殺伐としているから、少しくらい、甘いものが、欲しいかも。塩気の多いオカズだけだと、味気ない夕食になってしまうからなぁ・・・こういうタトエしか出来ないんだけどさ。

中国統一を夢見て、スケールの大きな映画・・・なんだよね。でも日本人が作ると、なんとなく、スケール感が小さくなるというか・・・。

出演している俳優陣も、どことなく・・・。

それでも、2時間飽きさせないあたりは、流石というか・・・。

とにかく、戦闘シーンが多いので、もう少し、政治的な絡みみたいなものが欲しかったあたり、少々、残念でもあった。

どっちかっていうと・・・吉沢亮演じる秦国王・エイセイの物語にした方が、ヨカッタのかもしれない・・・などと思いながら見ていた。 

  


映画:キラーハンター 潜航せよ

2019-04-18 23:54:23 | 演劇・映画

真夏日一歩手前、最高気温23.5℃

一気に初夏気分。

 

本日は、午前中、相方と隣市のシネマ・コンプレックスへ、『キラー・ハンター 潜航せよ』を鑑賞に。

 

『潜水艦モノには、外れなし!』

まさに、その通り。

 

2時間1分の上映時間を、全く飽きさせることなく、次から次へ。物語の中に、グイグイ引き込まれるような面白さ。

原子力潜水艦と米軍特殊部隊4名の連携プレーで、監禁されたロシア大統領救出せよ・・・というミッション。

第三次世界大戦の引き金を引くのは・・・。

ベタベタした男女の恋愛とか愛情とか、一切無し、全く無し。いいねぇ!こういう映画は。すっきりしていて。

 

水艦のコックピットの精密さ、音のない海の底での死闘。

敵対する潜水艦艦長の友情。

英国映画って、ハデな宣伝とかはないけれど、名作が多いよね~~~。

 

公式】『ハンターキラー 潜航せよ』4.12(金)公開/緊迫の潜水艦シーン解禁!

 

 

来月は、『空母いぶき』の公開があるし。楽しみだな~~~。

 


シネマ歌舞伎:野田版 桜の森の満開の下

2019-04-15 23:45:53 | 演劇・映画

 最高気温22度。昼前から強風。

 

本日は、相方とシネマ歌舞伎:野田版 桜の森の満開の下を鑑賞に、隣市のシネマ・コンプレックスへ。

その前に、回るお鮨屋さんで、お鮨ランチ。

 

シネマ歌舞伎の新作ってことで、公開2週目の月曜日なのに、上映室は、妙齢のおばさん達で一杯。

お友達同士で、楽しそう。

ここの映画館の階段は、二段上がると、階段の幅が、変わるので、高齢者には、ちと危ない階段で、私も、過去にコケたことがあったりして、今日も、入退場時には、渋滞になったりしていた・・・なんてことは、過去のブログで記載済なのだけれど。

 

さて。閑話休題。

『贋作・桜の森の満開の下』というタイトルで、演劇上演された舞台を、歌舞伎版に作りなおした作品。

シネマ歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』予告編


20世紀の終わりか、21世紀の初め頃か、堤真一主演で、新国立劇場だったか・・・或いは、シアター・コクーンであったか・・・観劇したことがあって、つい最近では、天海祐希が、主演で、東京芸術劇場あたりで、上演されていたような記憶があるけれど、コチラは、手許不如意で、観劇できなかった。

演劇版と歌舞伎版では、多少設定が違うようで、もともとこの作品は、坂口安吾の『夜長姫と耳男』、『桜の森の満開の下』の二つの作品を合体させて、ひとつの物語として、上演された。

『夜長姫と耳男』の耳男と『桜の森の満開の下』の盗賊の男を、それぞれ登場させ、夜長姫と盗賊の女房を合体させて、鬼としたのだけれど、『夜長姫と耳男』の耳男は、桜の森の中で、考え事はしないし、『桜の森の満開の下』の盗賊は、桜の森の中には、居なかった・・・し、夜長姫と盗賊の女房は、どちらも、美しく、残酷で、無邪気だけれど、醜い鬼となって、背負ってもらって山に戻る盗賊の首を絞め続ける鬼には、ならなかった。

坂口安吾の原作から、ブレているようで、たぶん、原作を読んでいないと分からない部分も多かったような気がする。

そして、原作を読んで、観劇した我身には、やっぱ、『贋作』とか『野田版』といったお断りとつけないといけない訳が分かったような気がする。

物語的に難解になってしまったのだった(二つの物語の主題を合わせたので、過不足が出てしまった)。

・・・なので、映画館で、結構、高い料金を支払って、寝てしまったお客さんも・・・たぶん多いハズで・・・それでも、歌舞伎座だとか、新橋演舞場なんかで、歌舞伎を上演中、睡眠をとっておられるお客さんも多いので、コレは、コレでいいのかもしれない。歌舞伎だしね・・・。

つまるところ、坂東玉三郎の後を追う唯一の女形・中村七之助の美しさと、衣装、舞台美術を見るだけでも価値があると思うし、プッチーニの劇伴が、妙にぴったりするあたり・・・なんとも不思議な感じもする。

個人的には、ハンニャ役を演じた坂東巳之助が、不思議な雰囲気を出していたなぁ・・・と思う。鬼の役が合う役者さんでもあるような気がしている。

天武天皇役の市川染五郎(現・市川幸四郎)は、ノーブルなビジュアルで、帝役には、ぴったりなんだけれど、このひとの舞台を見るたびに、もう少し声がよかったらいいのにといつも思ってしまう。残念ながら、このひとの声は、通らない。


ソメイヨシノは、もう散ってしまったけれど、山桜、里桜、八重桜と桜の季節は、まだまだ続くし・・・この季節、もう一度、坂口安吾・著『桜の森の満開の下』、『夜長姫と耳男』を読んでみたくなった次第で。

 



映画:えいがのおそ松さん

2019-03-22 23:57:37 | 演劇・映画

最高気温24.9度。あと0.1度で、夏日。春をスキップ・・・。
最近は、春と秋が、短くなってきているようで、急に暑くなったりするようです。


本日は、相方と隣市のシネマ・コンプレックスへ。
朝一番上映のモーニング・ファースト・ショー『えいがのおそ松さん』を鑑賞。

テレビ東京深夜のアニメーション枠で、人気を博した『おそ松さん』の映画化。

『おそ松さん』の原型である『おそ松くん』は、1960年代に、モノクロアニメーションとして、テレビ放送されていたけれど、その六つ子の『おそ松くん』達の約10年後の世界を描いた『おそ松さん』達が、少し時間を遡って、高校時代の自分達に会うストーリーでした。

テレビでは、尺の短い短編集で、ギャグ炸裂・・・といった手法でしたが、映画では、2時間弱のストーリー性のある展開となっていた分、テレビ放送のような面白さは、半分。
テレビ放送の方が、おカネが、かかっているような気もしました。
・・・というのも、第二期の後半のエンディング・テーマ『大人÷6×子供×6』は、YMOの高橋幸宏が手掛けているし、バックの画像も、芸術性のある仕上がりでしたし・・・。

映画も女性客をターゲット?にしているようで、客層も、圧倒的に、ハイティーンの女の子達や、20代(と思われる)女性が多かったようです。

ストーリー展開にもうひとひねりあってもよかったのかも・・・と思いますが、卒業シーズンと春休みにこの作品をぶつけてきたのは、意味があることのように思えます。

春(卒業)の切なさ・・・過去の自分に向き合う・・・なんていうのが、テーマで、季節感は充分だし、永遠のモラトリアムであろう『おそ松』を始め六つ子たちを縛る過去、そしてニートとして生きる現在の時間軸が、ブレ始めたときに、新たなストーリーが展開していきます。

彼らを取り巻く、チビ太、トト子ちゃんの悩みも深いようでしたが、他の登場人物は、彼らの過去と同化するように、曖昧さをまとって登場します。
六つ子の過去にしか登場していないのですが、インパクトのある『イヤミ』さえ、スケルトンになっておりました。

テレビ放送の延長なら、赤塚マンガの個性的な面々の活躍があってもよかったように思えますが・・・。

そして、何より、気になるのは、『おそ松さん』の続編が、あるのか、ないのか・・・気になるところです。






映画:翔んで埼玉

2019-03-15 23:23:23 | 演劇・映画
 
霞がった春の週末。
それでも、まだ、風は冷たい。


本日は、早朝より、相方と映画『翔んで埼玉』を観に隣市のシネマ・コンプレックス迄。

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原作は、少女漫画家の魔夜峰央。

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『パタリロ!』などのギャグ的要素の強い漫画家だけれど、そのビアズリーを連想させるような繊細な線で、そのギャグをかますか・・・というギャップがあったりする。

映画では、原作にほぼ忠実なキャラクターが配され、首都・東京の隣県というだけで、受難の埼玉?県民の歴史を如実に物語るあたりなんとも・・・。

自虐ギャグ満載で、それでも、埼玉は、ジワジワと世界制覇?に向けて、日夜活動しているあたり・・・。

魔夜峰央のストーリの根幹は、同性愛(ボーイズラブ)であるけれど、主人公ともいえる埼玉県出身の麻実麗役のGACKTを始め、二次元の紙の上の世界から抜け出たような伊勢谷友介、京本政樹といったヴィジュアル系の俳優の起用で、現実世界からの乖離を楽しめる作品となった。

本編のヒロイン???というか・・・壇ノ浦百実(少年)役の二階堂ふみは、ちょっとイメージに合わなかったように思うんだけれど・・・。
もっと細身で、少年っぽい女優の起用がなかったものか・・・と考えてみたのだけれど、思い当たる役者がいなかった。
・・・二階堂のつけまつげが、くどすぎるというか・・・。
金髪のウェービーなおかっぱのヘアスタイルの似合う女優って誰だろう・・・?
あくまでも、細身・・・少年の(魔夜峰央の描く)美しさを表現できる女優(或いは俳優)って・・・。

それでも・・・翔んで埼玉の原作の面白さの勝利であった。

魔夜峰央の他の代表作『パタリロ!』を実写化するなら、バンコラン少佐は、是非、GACKTか、伊勢谷友介に演じて貰いたい・・・などと思ってしまった。


そして、関東地方と呼ばれる地域は、東京都・神奈川県人以外の千葉・茨城・群馬・栃木の住民は、全てディスられる地域であることを知ったというか・・・特に、北関東に住む我身が、都内へ赴くには、通行手形がいるのか・・・。
そして、隣県に向かうには、パスポートがいるらしい・・・なんてのは、冗談だけれど・・・。








映画二本立:ねことじいちゃん/サムライ・マラソン

2019-02-26 22:26:26 | 演劇・映画
本日は、早朝から相方と映画2本。

平日の出勤ラッシュの国道バイパスをひたすら北上すると、隣市のシネマ・コンプレックスへ。


ファースト・ショーの上映時間は、午前8時30分。

1本目は、『ねことじいちゃん』

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落語家の立川志の輔演じる元教師の大吉じいちゃんは、亡くなった奥さん(田中裕子)のひろってきたキジトラのタマさん(♂)と小さな島で、静かに暮らす毎日。
友達の巌さん(小林薫)や、おばあさんたち(銀粉蝶・田根楽子他)との関わり合いなど、いつもと何の変わりのない生活。
その島は、猫の島。
住民は、お年寄りが多くて、みんなで、猫の面倒をみているのでした。
そんなある日、本土から猫の島で、カフェを経営するためやってきた美智子さん(柴咲コウ)によって、島にも新しい風が吹いて・・・そして、ゆっくり流れる時間の中で、みんなの老いは進行していく・・・。

動物写真家の岩合光昭監督の猫目線の映像。
猫と花、猫と海。
極めつけは、桜の花と猫と青い海。
美しく映像、可愛い猫たち。

志の輔さんが、何故か、小倉久寛に時々見えてしまったりして。


ランチを挟んで、次は、隣々市のシネマ・コンプレックスへ移動。


本日2本目は、『サムライ・マラソン』

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だから何なの???
実際のところ、安中市が、日本マラソンの発祥の地で?
2020年には、東京オリンピックで?
・・・で、安中藩の一大事で?
それなのに、メッタ斬りで?
多分、スポーツ時代劇なんだろうけれど?
爽やかさが、全くない?みたいな?

映画がハネて、監督さんが、外国人だと知りました。
確かに、日本人の感性には、合わないようで、お客様の入りが、証明していましたかね?

佐藤健、ハセヒロ(長谷川博己)と言った今、旬の俳優を起用していても、全く精彩がない・・・というか・・・イヤイヤ、ハセヒロは、来年だか、再来年だかの某国営テレビ局の大河ドラマで、明智光秀役をやるらしいので、その布石かも・・・なとど思ったりして。

オリンピックを始め、スポーツは、純粋だと最近迄、信じていたけれども、利権とカネで動いていることを知り、さもありなん・・・と思いつつ。

一時の栄光のために費やすアスリート達の或る意味、やり切れない結末を彷彿とさせる映画でもあるようで・・・。

そう考えると、なにやら相当深い映画なのかも(アタマ良くないんで、よくわからないのだけれども)。






映画:七つの会議

2019-02-01 23:56:11 | 演劇・映画

昨夜の雪もそれ程積もっているわけでもなくて・・・と思いきや・・・。
車のフロント・ガラスに、みぞれ状の雪が、固まって、ワイパーが動かず、10分くらい暖気して、出発。
リア・ウィンドウは、更に、15分くらい走行しないと、氷と化した雪が、融けない状態でした・・・明け方は、氷点下。

朝から、相方と隣々市のシネマ・コンプレックスで、本日公開の『七つの会議』を鑑賞に。

七つの会議 (集英社文庫)
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池井戸潤の作品は、どれも面白いのだけれど、『七つの会議』は、日本企業特有の体質から発生する諸問題をつきつめていく作品で、世の中の大部分の人が、『会社』に、お勤めして、日々の糧を得るということが、一般的というか、普通の日本人というか・・・その基準から、自分から、外れるのは、なかなか勇気のいることだと思います。
(かく言う私は、その『会社』から、放り出されて、現在に至っていますが・・・)

1日8時間以上も『会社』にいて、自分自身の時間を切り売りし、生きていく会社員という日本人達。

企画・営業・製造・経理・人事・・・と様々な部門で、様々な人が働く・・・。

そして、今日も・・・営業会議で・・・『鬼』が来る!

謎の不良社員・八角を演じるのは、狂言師・野村萬斎。
それに絡むのは、歌舞伎界から市川中車(香川照之)、片岡愛之助。
落語界からは、池井戸作品のご常連・立川談春。そして春風亭昇太。

古典芸能からの出演陣が、メインでしょうかね。

個性的な役者の中での一種の清涼剤的存在の及川光博。
コレ迄の役柄とは少し違うようで、隙のない・・・どちらかと言えば、鼻持ちならないエリート役が、多かった及川光博が、肩のチカラの抜けた二枚目半的営業課長を演じているが、ほほえましいというか・・・。

藤森慎吾のゲスぶりもまた健在で。

大御所系は、北大路欣也、鹿賀丈史、橋爪功。

作品も出演俳優も秀逸。

面白い映画でした。



映画:ヴィクトリア女王・最後の秘密

2019-01-30 21:22:23 | 演劇・映画

昨日の強風も止んで、穏やかな冬晴れ。
ずっと降雨がないので、空気がカラカラ状態。

昨日(29日)、相方と隣市シネマ・コンプレックス迄、『ヴィクトリア女王・最後の秘密』を鑑賞。

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老齢のヴィクトリア女王は、齢80歳を越え、体調の波もあり、それでも、分刻みの堅苦しいスケジュールで、政務をこなし、生ける屍状態でありました。
この気難しい老女王に仕える王室の職員、そして彼女の息子達も、上辺は、彼女のご機嫌を取りながらも、さっさと崩御してくれることを望んでいるようでした。

女王は、植民地であったインドからの金貨の献上役に任命されたインド人若きアヴドゥル・カリムと出会います。

周囲の人間とは違い、アヴドゥルは、正直で、飾らない言葉で、女王に接し、やがて、侍従に抜擢され、ふたりの間には、信頼関係が生まれます。
お互いに尊敬しあい、女王は、アヴドゥルから聞くインド文化に傾倒していきます。

宮廷内で、異質な存在のアヴドゥルは、周囲から、排除されようと画策されますが、やがて、老齢の女王は、その最後を全うするときを迎えます。

アヴドゥルは、女王に安らぎの言葉で、彼女の最後を見送りました。

老齢のヴィクトリア女王を演じたジュディ・デンチもまた80歳を越えての主役がみどころかと思います。

またヴィクトリア朝と呼ばれた時代のアンティークな宝飾品、家具、食器類、衣装などを中心にみても興味深いものがあります。

英国滞在中のアヴドゥルへの女王からの書簡は、息子である王太子により、全て、燃やされ、無きものとされてしまったようですが、ひとつだけ、彼のてもとにのこった金のロケットには、エメラルド、真珠、ダイヤモンドの美しい象嵌で、ロケットの中には、老齢の女王の肖像画がありました。

佳き家庭人でもあったヴィクトリア女王ですが、その晩年のアヴドゥルの存在は、無きものとされていたようですが、100年の時を経て発見されたアヴドゥルの日記により、その知られざる晩年を切り取った映画となったようです。


(↓若いころは、お綺麗でしたね)
図説ヴィクトリア女王:英国の近代化をなしとげた女帝
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映画:秒速5センチメートル

2019-01-27 12:17:56 | 演劇・映画
 
風もなく、穏やかな冬晴れの日曜日。

・・・4か月ぶりに電車に乗りました・・・昨日と同じ出だしですが、電車に乗るには、自宅から一番近い駅に行くわけですが、我が居住地は、4本の路線が、交差する場所で、本日のタイトルである映画『秒速5センチメートル』にも登場します。

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この映画は、去年(・・・と言っても、先月の暮れに、テレビで、オン・エアされていて)、録画しておいたものを、元日にみました。

東京で、なかよしだった少年と少女が、少女の転校で、離れ離れになってしまい、更に、少年が、離島である種子島へ転校することになり、雪の降る日、少年は、東京の西から、栃木の岩舟町迄、少女に会いに行きます。

このアニメ映画の新海誠監督独特の緻密で、美しい背景描写、アニメーションの中にある透明な光、空気感に圧倒されます(テレビではなく、映画館で観たかったと思います)。

栃木ってどれくらい遠いんだろう・・・。

我が居住地は、映画の中で、東京から、岩舟に向かうための乗り継ぎの駅として、画面に登場します(因みに、我が居住地迄は、東京・新宿から快速で70分、新幹線だと50分前後です。でも、東京の西側からだと、物凄く遠くかんじるかもしれませんね。)

雪で、電車は、遅れに遅れます。

やっと乗り換えの駅につくも・・・4本ある1本のR線のホームは、駅の中の北西部にあり、日当たりも悪くて、暗いイメージがあります。

そのホームで、雪と、少女への思いで、階段下のホームにたたずみ、電車を待つ少年の不安な心理を、描写しています。

・・・そして、ちょっと天候が崩れると、すぐ止まってしまうのが、R線なのです・・・。


やがて大人になって、少女は、結婚式を控えて、両親のいる岩舟町に戻り、再び、東京へ戻る日の乗り継ぎの駅の場面が登場します。

雪の日、少年が不安で電車を待つ駅として描写されていましたが、少女には、春の光溢れる輝いた駅として、描かれていました。

この映画は、2008年の製作のようですが、あの頃と殆ど変わっていない街中を見ました(実際には、駅西口なんかは、結構、変わっているのですが・・・)。

春の光の降り注ぐ、駅周辺(主に東側の描写)・・・伊藤羊羹堂もちゃんとあったし・・・。

少年も大人になり、現在の仕事に疲れ果て、会社に退職願いをだしたようです。

もう、街ですれ違っても、お互いと気づくことはないのでしょう。
それでも、あの頃の思い出は、色褪せぬまま、そのままに仕舞われて、行くのでしょう。

少年と少女の乗り換えの中継点として描かれた我居住地の駅・・・。

今年の夏、新海誠監督の最新作『天気の子』が、公開予定だそうです。

『君の名は・・・』も記憶に新しいですが、公開が楽しみです。