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みどりの一期一会

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秘密保護法案を問う・審議入り 重ねて廃案を求める/国の情報公開/国民の知る権利

2013-11-08 20:21:43 | ほん/新聞/ニュース
「特定秘密保護法案」の問題について、
毎日新聞が、「秘密保護法案を問う」という社説で
毎日一つずつ指摘しています。

今日の社説は、「審議入り 重ねて廃案を求める」。
5日の「秘密保護法案を問う 国民の知る権利」から、
まとめて読むと、この法案の問題がよくわかります。

  社説:秘密保護法案を問う・審議入り 重ねて廃案を求める  
毎日新聞 2013年11月08日

 特定秘密保護法案が7日、衆院で審議入りした。安倍晋三首相は本会議で、情報漏えいの脅威が高まる中、国家安全保障会議(日本版NSC)を効率的に運営するためには、秘密保全体制の整備が不可欠だとして、法案の意義を繰り返し強調した。

 だが、この法案は、憲法の基本原理である国民主権や基本的人権を侵害する恐れがある。憲法で国権の最高機関と位置づけられた国会が、「特定秘密」の指定・更新を一手に行う行政をチェックできない。訴追された国民が適正な刑事手続きを受けられない可能性も残る。憲法で保障された「表現の自由」に支えられる国民の「知る権利」も損なわれる。

 7日の審議でも根本的な法案への疑問に明快な答弁はなかった。法案には反対だ。重ねて廃案を求める。

 国の安全保障上欠かせない情報はあり、日米同盟に基づく高度な機密は保全すべきだろう。そのために、2001年に自衛隊法が改正され、防衛秘密の漏えいに対し最高懲役5年が科せられた。また、米国から供与された装備品情報の漏えいは最高懲役10年だ。防衛秘密が現行法の下で基本的に守られている中で、新たな立法の必要性はないと考える。

 もちろん、防衛以外にも秘密とすべき情報はあるだろう。だが、この法案では、防衛のほか、外交、スパイ防止、テロ防止の各事項について、行政の裁量で際限なく特定秘密が指定できる。さらに、その漏えいだけでなく、取得行為にも厳罰を科す。あまりにも乱暴な規定だ。

 行政に不都合な情報が特定秘密に指定される恐れはないのか。安倍首相は、別表での細かい規定や、指定の基準を作る際に有識者に意見を聞くことを挙げ「重層的な仕組みになっている」と述べたが、全く不十分だ。国会を含む第三者が個々の指定の妥当性をチェックする仕組みは法案にない。民主党は情報公開法の改正で、裁判所にその役割を担わせる考えだが、実効性が伴わない可能性が大きい。

 7日の審議で、森雅子担当相は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)などの通商交渉や原発事故対応などの情報は、特定秘密の対象にならないと答弁した。ただし、原発でも警備の実施状況は、特定秘密に該当すると述べた。行政任せの根本が変わらなければ線引きは意味がない。

 法案概要が公表されたのは9月である。今から議論を始めてこの国会で成立を図ろうとすること自体、土台無理な話だ。まずは徹底審議で問題点を明らかにしてほしい。


 社説:秘密保護法案を問う…国政調査権  国会が手足を縛られる 
毎日新聞 2013年11月07日

 議員自ら、その手足を縛るのだろうか。特定秘密保護法案の持つ危うさを立法府である国会はもっと深刻に受け止めるべきだ。

 憲法62条は「両議院は各々国政に関する調査を行い、これに関して証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる」と国政調査権を定めている。

 国会法や議院証言法は政府が国会への報告、証言や資料提出を拒否した場合、最終的には理由として「国家の重大な利益に悪影響を及ぼす」との声明を内閣が出さない限り国会の要求に応じるよう手続きを定めている。議会が行政を監視する権限を踏まえたものだ。

 ところが特定秘密保護法案は情報提供の有無、提供された場合の取り扱い両面にわたり行政優位の統制に置くため立法府の国政調査権行使に重大な支障を来すおそれがある。

 法案は行政機関の長が国会に特定秘密を提供する場を非公開の秘密会に限定する。しかもそれは「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたとき」との条件つきで「支障を及ぼすおそれがある」と判断すれば提供を拒める。安全保障をはじめ広範な情報から国会が遮断されかねない。

 秘密会で情報が提供されても厳重な統制が加えられる。国会議員が故意に漏えいした場合は5年以下の懲役刑などに処せられ、過失でも罰せられる。その議員に漏えいを働きかけた第三者も処罰対象だ。

 議員が知った情報は同僚議員や政党職員、秘書らと自由に共有できず政党や議員の活動を萎縮させるおそれがある。秘密保護に必要な措置は内閣の政令で定められ、特定秘密指定は有効期間5年を経て行政が更新できるという行政主導である。

 一方で憲法51条は「両議院の議員は議院で行った演説、討論または表決について院外で責任を問われない」と定めており、国会討論や質疑で秘密を開示しても刑事免責されるとみられる。だが、秘密保護法が制定されるとこの条項を逆手に取り、行政側が情報もれのおそれがあるとして情報の提供を拒む懸念すらある。

 国会議員の守秘義務のあり方は本来、議院自らルールを決めるべきものだ。自民党の石破茂幹事長はここにきて国会が秘密指定を監視するための機関づくりなどに言及しているが、そんな肝心な議論も尽くさぬまま政府が法案提出になぜ踏み切ったのか、はなはだ疑問だ。議会政治に禍根を残しかねない重大な局面だと国会議員一人一人が心得てほしい。


 社説:秘密保護法案を問う 国の情報公開  
毎日新聞 2013年11月06日 

 ◇「不都合」隠される懸念
 特定秘密保護法案は、国民の知る権利を支える情報公開や公文書管理の理念から大きくかけ離れる。情報公開法は「国民主権の理念にのっとり、情報の一層の公開を図る」ことを目的とし、公文書管理法は「国の諸活動や歴史的事実の記録である公文書は、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」とうたう。

 ところが、法案が成立すると、国の安全保障に著しい支障を与える恐れがあるとの理由で、行政機関は大量の情報を恣意的に特定秘密に指定することが可能になる。政府にとって「不都合な真実」も国民の目から隠蔽されかねない。

 政府の「隠蔽体質」を如実に物語るのが、1972年の沖縄返還に伴う密約問題だ。日本が米国に財政負担することを両政府が合意した密約について日本政府は一貫して否定し続け、2000年以降に米国立公文書館で密約を裏付ける文書が見つかった後も、その姿勢を変えていない。

 西山太吉・元毎日新聞記者らが密約文書の開示を求めた訴訟で11年の東京高裁判決は、「沖縄を金で買い戻す」との印象を持たれたくない政府が国民に隠す必要があったと認定し、ばれないように01年の情報公開法施行前に秘密裏に文書を廃棄した可能性を指摘した。開示請求は退けたが、密約文書を「第一級の歴史的価値を有し、永久保存されるべきだった」と国の姿勢を批判したのだ。

 密約のような行為も行政の思惑次第で指定がまかり通り、外部からのチェックは不可能になる。5年の指定期間は行政の判断だけで更新でき、内閣の承認があれば30年を超える指定も可能だ。国民は半永久的に知ることができなくなってしまう。

 特定秘密に指定される情報も、情報公開法や公文書管理法の対象になる見通しだ。ところが、国の安全が害される恐れがあるなどと行政側が判断すれば公開を拒否できるので、特定秘密は事実上開示されないことになる。公文書管理法も、各省庁で保存期間が満了した行政文書は国立公文書館などに移管するか、または首相の同意を得て廃棄することを認めており、廃棄される懸念は消えない。

 民主党は、訴訟の段階で裁判所が対象文書を調べる仕組みを導入する情報公開法改正案を提出し、知る権利の充実を強調する。しかし、国の防衛や外交上の利益などに重大な支障を及ぼす場合は行政側が法廷への文書提出を拒否できるとの条文があり、実際には機能しない可能性が強い。この改正案と引き換えに法案の成立を許すわけにはいかない。


社説:秘密保護法案を問う 国民の知る権利(毎日新聞 2013年11月05日)

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ところで、
11月7日の衆議院本会議で可決された日本版「国家安全保障会議(NSC)」創設関連法案と、
「特定秘密保護法案」との危険な関係を、NYタイムズが社説で指摘している
と日刊ゲンダイのwebで取り上げている。

NYタイムズ 社説で「日本版NSC」「秘密保護法」断罪の波紋(日刊ゲンダイ 日刊ゲンダイ-2013/10/31 )

NSC法案は、ろくな審議もされず衆議院で可決され、
参議院でも可決して成立する見込みとのこと。
安倍政権の思惑がこのような国民を縛る法律というかたちになっていく
こわさを感じているのは、わたしだけではないだろう。

  社説:NSC法案可決 国民を危険にさらすのか
2013年11月7日 琉球新報

 日本版「国家安全保障会議(NSC)」創設関連法案が衆院本会議で賛成多数で可決された。わずか21時間の委員会審議で可決したことに民主主義の危機を感じる。
 安倍晋三首相はNSC法案、特定秘密保護法案、集団的自衛権の憲法解釈変更にこだわる。行き着く先は「戦争のできる国」への変質であり、国民を再び戦争の危険にさらすことにほかならない。
 NSC法案は、外交・安全保障の基本方針を首相を含む4大臣会合で決定することを柱としている。米国などから提供される機密情報を一握りの閣僚と官僚が扱い、密室で政策を決めるところに危うさがある。
 NSCでの議論に関する議事録作成は法案の規定に盛り込まれず、付帯決議で「速やかに検討し、必要な措置を講じる」と言及したのみだ。付帯決議に拘束力はない。政策決定過程を国民やその代表である国会が検証できなくなる。
 NSC法案は、審議入りした特定秘密保護法案と一体だ。秘密法案で「特定秘密」に指定されればNSCの議論の内容は半永久的に検証不可能になる。国民の知る権利は制限されるどころか、知ろうとすれば罰せられる可能性がある。
 ひそかに米軍との間で部隊戦術から国家戦略まで情報を共有する日米軍事一体化が進むだろう。憲法解釈を変更し集団的自衛権を容認すれば自国が攻撃されなくても自衛隊は地球の裏側まで行ける。
 NSCは戦争を指揮した、かつての大本営を想起させる。大本営は帝国陸海軍作戦計画大綱を作成した。大綱の中で沖縄と硫黄島を含む小笠原諸島は、本土決戦の準備が整うまで、できるだけ長く米軍を引きつける方針(「出血持久戦」)だった。沖縄は最初から見捨てられていた。
 この軍事機密は県民に知らされない。新聞は軍の統制下に置かれ軍の都合のいい情報しか載せなかった。「出血持久戦」を命じられた第32軍は「沖縄語をしゃべるものは間諜(かんちょう)(スパイ)と見なし処分する」と規定をつくったが、住民は知らない。
 県民は陣地構築や戦場に動員され、激烈な戦闘に巻き込まれ多数の住民が犠牲になった。しまくとぅばを使ったためスパイ視され日本兵に殺害された住民もいた。
 平和主義、基本的人権の尊重、国民主権という日本国憲法の基本原理を骨抜きにする「悪法」は受け入れられない。


 NSC法案 審議わずか21時間 
2013年11月7日 東京新聞

 衆院国家安全保障特別委員会は六日、安倍政権が外交・安全保障政策の司令塔と位置付ける日本版「国家安全保障会議(NSC)」創設関連法案を与党と民主党などの賛成多数で可決した。七日の衆院本会議で可決、参院に送られ、今国会で成立する見通し。政府・与党がNSC法案と一体での成立を目指す特定秘密保護法案は、国民の「知る権利」を制限する内容のまま七日の衆院本会議で審議入りする。

 NSC法案は、本会議での審議入りで首相が答弁に立つ重要法案になったが、委員会審議は約二十一時間。重要法案の審議は、過去に百時間を超えた例もあり、野党からは「議論が不十分だ」と批判の声も上がった。

 特別委は、安倍晋三首相が出席して締めくくり質疑を行った後、自民、公明、民主、日本維新の会が提出した修正案を採決した。四党に加え、みんなの党が賛成し、共産、生活の両党が反対した。

 生活の玉城デニー氏は反対討論で「会期の短い臨時国会では十分な審議ができない」と強調した。

 NSCは首相、官房長官、外相、防衛相で構成する「四大臣会合」で外交・安保の基本方針を決める仕組み。内閣官房に事務局として「国家安全保障局」を新設する。四党の修正は、各省庁にNSCへの情報提供を義務づけることが柱。民主党が求めた議事録作成の義務づけは、強制力のない付帯決議に「速やかに検討し、必要な措置を講じる」と盛り込むのにとどまった。


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11月7日(木)のつぶやき

2013-11-08 01:10:07 | 花/美しいもの

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