男女共同参画審議会を記録した音声テープの
「審議会音声記録情報非公開処分取消訴訟」の判決がありました。
「主文 原告の請求をいずれも棄却する」
主文のよみあげで耳を疑いました。まさかの原告敗訴です。
情報公開訴訟は、情報公開条例の「解釈と運用」をめぐる争いです。
判決は、福井県の間違った条例解釈とずさんな運用を追認するもので、
とても納得できません。
判決後の記者会見で、原告代表の上野さんが「直ちに控訴すること」を表明。
福井で一泊して、福井駅で朝刊各紙を購入して、帰ってきたばかりです。
詳細な報告を書く余裕がないので、とりあえず、
「判決」の主文および要旨の抜粋と
今日の新聞各紙の記事を紹介します。
主文「原告の請求をいずれも棄却する」 P11 「・・・・本審議会の会議録はその要約が作成されており、本件音声記録については保管事務手続きの実施要領等の定めがあるとはいえず、本件審議会の会議録が作成された後は、担当職員によって同記録の内容の消去が予定されていたのであり、記録の整理、保管、保存および廃棄について、同記録が文書規程等に基づいて保管されていると評価されるものではない。 これらの事実からすれば、本件音声記録は、担当職員が同会議録作成のための備忘として録音して所持していたものに過ぎず、実施機関において「管理」している文書であるとはいえないので、上記②の用件をみたさない。」 P12 「エ したがって、本件音声記録は、実施機関である福井県知事において「管理している」文書であるとはいえず、本件情報公開条例にいう「公文書」に該当しない。 よって公開の対象となる公文書が不存在であるとした本件非公開決定は適法である。」 |
パート1は、朝日新聞、日刊県民福井、福井新聞、産経新聞です。
![]() 朝日新聞 2008年01月31日 県生活学習館(福井市)の書架から、ジェンダー(社会的・文化的に作られた性差)などをテーマにした上野千鶴子・東大大学院教授らの著書が一時撤去され、この問題を議論した県の審議会で職員が議事録作成用にMD(ミニディスク)に録音した音声記録を県が非公開としたのは不当として、上野さんら13人が県を相手取り、非公開処分の取り消しを求めた訴訟の判決が30日、福井地裁であった。小林克美裁判長は「音声記録は県が組織で管理している公文書とはいえず、非公開決定は適法」として請求を棄却した。上野さんらは控訴する方針。 地方自治体の情報公開条例では音声などの電磁的記録を公文書として規定し、公開対象とする自治体が増加。県条例でも職員が職務で作成し、県が管理する電磁的記録は公開対象としている。今回は音声記録が県が管理する公文書かどうかが争われた。 判決は、音声記録は職員が職務上作成したが、消耗品棚から取り出した媒体に備忘のため録音し保管していたにすぎず、県の管理下にあったといえない、と認定。公文書ではないから、「不存在」とした県の非公開決定を適法とした。 原告側は「音声記録は公費で購入された媒体に記録され、職員共用の場所で保存されており『管理』に該当する。議事録と一体で保管されるべき公文書」などと主張していた。 判決について、大沢博・県総務部長は「妥当な判決。今後も適切に情報公開を進める」とコメントした。 県生活学習館では、上野さんの著書など約150冊について、県の男女共同参画推進員の男性から「内容が過激」などの指摘を受け、06年3月に書架から撤去。原告の1人から抗議を受けた後、元に戻した。 「電子情報化の流れに逆行だ」原告ら判決批判 判決後、13人の原告は福井市内で記者会見し、「予想外の保守的判決」と語気を強めた。 原告代表の上野千鶴子さんは、「判決は県条例の公文書にかかわる『管理』の解釈をきわめて限定的にとらえたものだ」と指摘。『自治体の情報公開の流れ、IT化議事遊佐の進歩に伴う急速な電子情報化のがれに逆行する保守的な判決だ」と批判した。その上で「県が判決に安心して隠蔽体質に走ることがないように強く期待する」と述べた。 (朝日新聞2008.1.31) ---------------------------------------------------------------------- ![]() 日刊県民福井 2008年1月31日 福井地裁判決『公文書といえず』 福井市のユー・アイふくい(県生活学習館)が二〇〇六年に上野千鶴子東大教授らのジェンダー関連著書などを一時撤去した問題に絡み、上野教授ら十三人が、県男女共同参画審議会の音声記録(電磁的データ)を非公開とした県の決定を取り消すよう求めた訴訟の判決が三十日、福井地裁であり、小林克美裁判長は原告の請求を棄却した。原告は控訴する考え。 判決理由で小林裁判長は「音声記録は会議録作成のためで、県が公文書として管理しているものとは認められない。保管されているすべての文書を公開の対象に広げるのは難しい」と指摘した。 判決によると、〇六年三月に同館が著書など約百五十冊を撤去したため、上野教授らは県男女共同参画推進条例に基づき苦情申出書を県へ提出。これを受けて県は同十一月、県男女共同参画審議会を開いた。原告らは審議会の音声記録の情報公開請求をしたが、県は「公文書ではない」として非公開とした。 公判は、音声記録を県が「管理している文書か」について争われた。被告側は「公務遂行の過程で作成される文書で、“備忘的メモ”で条例の公文書には該当しない」と主張。原告側は「県職員が保存している事実が認められれば、管理に該当する」としていた。 判決を受け、原告団の上野教授は「保守的な判断で、たいへん残念」とした。県は「主張が認められた妥当な判決」とコメントした。 「時代逆行した判決」上野教授ら原告側会見 「自治体の情報公開の流れや急速な電子情報化の流れの双方から言って、時代に逆行する保守的かつ後ろ向きな判決」-。敗訴を受け、福井市の県青年館で記者会見に臨んだ原告代表の上野千鶴子東大教授は、控訴の強い意志を示した。 上野教授は「(公文書が音声・電磁的記録へ移行しつつある時期に)今後の参照例になる画期的な判決となるはずだった。福井地裁は絶好の機会を逃した」と断言。訴訟の目的は「行政の隠ぺいと事なかれ主義体質の改善」として、県にあらためて情報公開を呼び掛ける一方、「この判決で安心して、県が隠ぺい体質に走ることがないよう強く期待したい」と“くぎを刺した”。 県情報公開条例では、決済済みの文書のみならず「職員が職務上作製取得した図画、電磁的記録」が公開対象となっている。 原告の寺町知正岐阜県山県市議は「『管理』にこだわり過ぎ、『管理』を狭くとらえすぎた判決」と批判。今大地晴美敦賀市議も「心配するのは、議事録の内容を市民自身が音声テープなど“生資料”で確認するすべがなくなるのではということ」と無念さをにじませた。 (北原愛) (日刊県民福井2008.1.31) ----------------------------------------------------------------------- ![]() 福井新聞 1月31日午前10時30分 福井県生活学習館の書架からジェンダー関連の本約150冊が一時外された問題をめぐり、県男女共同参画審議会の音声記録を非公開とした県の決定取り消しを上野千鶴子東大大学院教授らのグループが求めた訴訟の判決言い渡しが30日、福井地裁であった。小林克美裁判長は「音声記録は県情報公開条例のいう公文書には該当しない」として、原告の請求を棄却した。 判決などによると、同審議会は2006年11月2日に同問題などを議題とし、公開(定員10人)で行われた。原告は同6日に音声記録の公開を請求したが、県は「公文書不存在」を理由に非公開とした。 判決理由で小林裁判長は「音声記録は、担当職員が会議録作成のため備忘として録音、所持していたものにすぎず、会議録作成後は内容の消去が予定されており、情報公開条例のいう『実施機関が管理している公文書』とはいえない」とした。 判決言い渡し後、原告側は記者会見を開き、控訴する方針を示した。上野教授らは「情報公開の流れや急速な電子情報化の流れに逆行する保守的な判決」「情報公開条例のいう『管理』にこだわりすぎ、狭くとらえている」などと批判した。 大沢博県総務部長は「県の主張が認められた妥当な判決。今後も適切に情報公開を推進していきたい」とコメントしている。 原告代表上野教授 自治体対応けん制 県生活学習館の書架からジェンダー本関連の本約150冊が一時外された問題に絡んだ情報公開をめぐる訴訟の判決言い渡しが福井地裁で行われた30日、原告団代表で女性学研究者の上野千鶴子東大大学院教授は判決後、福井市内で集会を開いた。 集会には県内のほか東京都、三重県などから約50人が参加。上野教授は「いまバックラッシュ(ゆりもどし)は}と題し講演した。 上野教授は、1月に茨城県つくばみらい市で開かれる予定だったDVに関する講演会がDV防止法に反対する民間団体に抗議を受け中止になった例を紹介。「行政の事なかれ主義と隠ぺい体質の中で(こうした講演会の)自主規制が増えないとも限らない」と、今後の自治体の対応をけん制した。 韓国女性による慰安婦訴訟や歴史教科書問題などを背景に、1990年代を「日本が急速に右傾化した時代」と指摘。バックラッシュや図書の撤去は波頭の一つにすぎず、いま日本をどの方向に持っていくかが問われていた」と話した。 (福井新聞2008.1.31) --------------------------------------------------------------------- 審議会の音声記録開示訴訟 「公文書に該当せず」と棄却 1月31日産経新聞 県の生活学習館から性やジェンダー論に関する図書が一時撤去された問題で、著者の上野千鶴子・東大教授(59)や市民団体が同県を相手取り、撤去について討議した県男女共同参画審議会の音声記録(電磁的データ)の開示を求めた訴訟の判決が30日、福井地裁であった。 小林克美裁判長は「音声記録は県が管理しているとはいえず、公開条例で開示するべき公文書とは認められない」などとして訴えを棄却した。原告側は控訴する方針。 判決などによると、音声記録は議事録作成のために職員が録音したが、保存や廃棄を県が規定で定めているものではなく、県の管理にあったとはいえないため公文書に該当しないとした。 図書は男女参画に不適切との指摘があり、平成18年3月に約150冊が一時撤去された。上野教授らは同年8月に苦情を申し立て、県は同審議会を開催した。上野教授らは同年11月、県情報公開条例に基づき音声記録の開示を求めたが、県は同月、録音は職員の議事録作成のための防備的なメモで公文書に該当しないとして非公開としていた。上野教授らはこれを不服として提訴していた。 (産経新聞2008.1.31) |
【福井発】ジェンダー本撤去の審議会の音声記録
原告の公開請求棄却/1.30福井地裁判決-2で、
中日新聞、毎日新聞、読売新聞を紹介します。
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最後まで読んでくださってありがとう

2008年も







