いやぁ、ひどいヨメにございます…
毎日理学療法室に通い、
リハビリ訓練を続けているのですが。
『今日は階段をちょっとやってみましょう』と。
部屋の奥、
ちょいと倉庫っぽいところに、
練習用の5段ほどの両手すり付き階段が鎮座しておりましてね…
それを見た途端、
『あ、天国への階段だ』と…
いったいなんでここでツェッペリンが浮かんでくるのか…
いかん、いかんでして…
打ち消しても介助されながら上って行くじじさまのバックに、
ツェッペリンが流れて、
まるでじじさまが昇って行くようでして…
ここまでは不謹慎なヨメにございましたが…
上りがあれば下りが待ってるわけでして…
ほら、
山も坂も階段も下りるほうが難しいでしょ。
じじさま、無事に現世に還ってこられるか、
いえ、
コケずに足が絡まらずに下りれるか…
ここで衝撃が走りまして。
予想外の展開に。
私は一段一段慎重によろけながら下りてくると想像してたんです。
ところがじじさま、
通常の、元気な人のように、止まらずに下りてこようとするっ。
右足の一歩で一段、
左足は次の段へ向かって下ろそうとするっ。
おまけに手はついてこない…
足よりも後ろの位置にしがみついたままでして…
無理だって…
自分の体の状態や筋力を考えたら絶対やらないって。
びっくりして療法士さんに聞いてみましたら、
療法士さんはお見通しでこうなるのではと予測していたそうで。
現在のカラダではなく、
過去の記憶で下りようとしただけなんですって。
つまりじじさまは、
現状を把握出来てないようでして…
毎日介助ありで歩く練習をしていますが、
歩くことに関してはうまく歩けないことは、
既に自分で分かっているけれど、
今日みたいにひょいと階段となると、
入院以来初なので、
気持ちだけで下りようとしてしまう…
これってすっごい衝撃でした…
お年寄りにはよくあることなのだそうです。
いやぁ、
なんでも私の感覚で考えたらいけないんですね…