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核なき世界のため広島と長崎への原爆投下の原因について嘘をつくのをやめなくてはならない(1)

2013-08-09 | ラジオ
日本は国際的パートナーたちとともに、全世界における核兵器廃絶を目指す。6日、アメリカが広島に原爆を投下してから68年目の追悼式典に参加した安倍総理が声明を表した。
目標は素晴らしいものだが、核兵器をめぐる政治ゲームに終止符を打たない限り、実現することはできないだろう。
また人類は広島と長崎に原子爆弾が投下された、本当の理由にも正面から取り組まなくてはならない。

モスクワ国立国際関係大学・国際研究所のイワノフ専門家は、次のように指摘している。
「アメリカが広島および長崎に原爆を投下したことが、日本国民にとって恐るべき悲劇となったことは、みんなが理解している。今日に至るまで苦しみ続けている人がいるのだ。
問題なのは日本への原爆投下が、正当化されるのかどうか、ということだ。アメリカでは原爆投下によって日本を降伏に追い込み、アメリカ、イギリス、中国、ソ連、さらには日本の多くの兵隊の命を救ったのだ、という見方が広がっている。
2007年、久間防衛大臣までがそのような意見を口にした。つまり広島、長崎への原爆投下は悪ではあるが、不可避だったと言う意見を口にしたのだ。これが第二次世界大戦の幕引きとなり、北海道をソ連に取られることを回避した、だからアメリカに恨みは持っていない、とまで久間防衛大臣は言ったのだ。
しかし世論の怒りを買い、辞任に追い込まれた。ただ原爆投下は余儀なくされたもので、仕方なかったという見方は、欧米諸国では広く残っている」
専門家の意見だ。

イギリスのウィンストン・チャーチル首相は、日本を降伏させたのは、アメリカの原子爆弾ではなく、ソ連の参戦であったと指摘したことがあった。ロシアなら小学生でも知っているこの見方は、欧米諸国では忘れ去られている。
核兵器に関する5つの神話の著者である、イギリスの歴史家ウォード・ウィルソンが論文のなかで、アメリカが4年かけて出来なかったことを、スターリンは4日間でやってのけた。と書いたとき、欧米諸国の多くの読者が驚くのも、そのような背景がある。
彼は太平洋での戦いに終止符を打ったのが、原子爆弾であるという意見を実証的に否定している。当時アメリカの空飛ぶ要塞B29は日本の数十都市を焼け野原にしてしまっており、数十万人の日本人が犠牲となった。日本の指導部はしかし、それは国民を一つに団結させ、抵抗への意志を強化するものだと考えた。
それゆえ、1945年8月6日、日本の指導部に大きな衝撃はなかった。ただ8月8日、昭和天皇が原爆投下に関する、より詳細な報告をお聞きになられた際、もし敵国がそのような兵器を使用するならば、戦争継続は不可能とおっしゃられたが、より有利な条件を引き出すためなら、即座に停戦することもなしと付け加えられた。

核なき世界のため広島と長崎への原爆投下の原因について嘘をつくのをやめなくてはならない(2)へ続く

なぜアメリカは日本に二発の原爆を落としたのか
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8月6日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル