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エジプト非常事態宣言

2013-08-17 | ラジオ
昨日(8月14日)、エジプトの首都カイロでは、ムハメド・ムルシ前大統領を支持する、ムスリム同胞団などの陣営が警察および軍隊によって取り壊され、新たな混乱状況が生まれている。
それを受けて全国では1ヶ月の非常事態が宣言されたほか、カイロなどの数都市では夜間外出禁止令が出ている。
ムルシ前大統領を支持する勢力を追い払うのは、まさに武力衝突の様子を呈した。目撃者らによると、両者とも火器を使用したとのことで死傷者が続出した。

かつてムスリム同胞団の幹部であり、有名なエジプト人作家のサルワト・アルヘルバヴィ氏はVOR・ロシアの声に対して、政府の対応は仕方のないものだったと述べている。
「ムスリム代表団の組織構造および欧米諸国の情報機関とのつながりを考えれば、いつでも戦争を起こすことの出来る秘密の軍隊だということが分かります。
この場合、カイロの広場が前線となりました。それはほとんど前線基地とも言うべきもので、歩哨も交代でついていた。戦場の兵士に対してのようなスローガンが叫ばれていた。そこの人々は戦闘に備えていたのです。それは放っておけばどんどんと拡大していたはずです。ですから政府にとってはそれを破壊するという選択肢しかなかったのです」
アルヘルバヴィ氏のコメントだ。

エジプト政府は、今回の事件の責任がムスリム同胞団にあるとしている。政府は市民を暴動に巻き込むのを止めるよう呼びかけており、カオスと暴力を招来するような試みはすべて厳しく弾圧すると約束している。またムスリム同胞団の指導者数名に対する逮捕も行われている。
エジプトでの暴動は、すでに数週間にわたって続いているが、専門家らは時と共に緊張が緩和されるだろうと見ている。

高等経済学院総合政治講座の、レオニード・イサエフ氏は次のように指摘している。
「エジプトの歴史を見てみれば、完全な形での内戦はあまり考えられません。1952年に王政に反対するクーデターが発生したり、イギリス人植民者に対する反乱があったりしましたが、社会全体が2つに分裂して戦うような内戦は一度もありませんでした」
イサエフ氏のコメントだ。

いずれにせよ、エジプトでの状況は予断を許さない。カイロから混乱は他の地方に広がり、第二の都市アレクサンドリアにも迫っている。

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8月15日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル