韓国、中国その他のアジア諸国で、またもや日本の政治家の発言が物議をかもし出している。つい最近、大阪の橋本市長の帝国陸軍が徴用した所謂、従軍慰安婦に関する発言が大きな怒りを呼び起こしたばかりだが、今度は首相経験者である麻生副総理が、1930年代のワイマール共和国憲法見直し経験を引き合いに出して論議を呼んだ。
29日、先月ですが麻生副総理はドイツのワイマール憲法は、いつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか。このように述べた。
その際確かに、麻生副総理は大きな騒ぎは引き起こしたくないとし、憲法改正の目的は、国の安定化であり落ち着いて、われわれを取り巻く環境は何なのか、状況をよく見た世論の上に憲法改正は成し遂げられるべきだと強調している。
とはいえ、この麻生副総理の発言は、アジア諸国で大きな反響を呼んだ。ナチスによるワイマール憲法の見直しは、第一次世界大戦の結果によって定められた、ドイツ軍の規模の制限破棄を意味するものだからだ。その結果、ドイツは短い期間のうちに急速に、その軍事力を増強できた。そしてドイツは、イギリスおよびフランスの暗黙の了解を得て、まずオーストリアとチェコスロバキアを占領、その後、ポーランド侵略に取り掛かり、第二次世界大戦の幕を開いた。
中国や韓国が、日本の所謂、平和憲法の見直しと軍の改革が、日本の潜在的な軍事力の急激な拡大の諸条件を作り出すのではないかと危惧するのも当然だろう。
しかしロシアの日本問題の専門家であるパヴリャテンコ氏は、そうした恐れはないと見ている。
「世論調査から判断して日本の社会には2つのグループが形成されている。憲法の見直しに関する安倍首相の考えを支持する人々と、それに反対する人々だ。反対派は毎日新聞の調査では51%に上っている。ここで申し上げたいのは、安倍首相は、以前よりも今は断固とした態度で憲法の見直しを訴えてはいないという点だ。恐らく彼の側近の誰かが、そうした立場は日本に害を及ぼすばかりでなく地域の緊張を高めるとして、状況を先鋭化させるべきではないとアドバイスしたのでしょう。
もちろん麻生副総理の発言は、自由民主党や日本社会の一定の部分の気持ちを反映している。その背後には何があるのでしょうか。実は何もありません。あるのは目論見ばかりです。社会の一定の部分が方針を決め、その方針に沿って、近い将来、日本の発展の方向付けをしたいと望んでいるのだ。
しかし、そうなるかどうかはまだ分からない。なぜなら、先日の参議院選挙の最も重要な結果というのは、連立与党が衆参両院で多数派となり、この6年間で初めて議会と政府が一つになったことで、これは自民党の党内ばかりでなく社会内の安定の要因となっているものの、残りのすべての事は、この安定から派生して生まれるものだからだ。
もちろん多くのことは、アベノミクスが今後どう実現されるかにかかっている。もし経済プログラムに停滞が生じれば、対外政策や、安倍氏が、その一期目の際にも、すでに予定したこと、つまり憲法の改正や自衛隊の本格的な軍隊化などを通じて、その埋め合わせをする事になるでしょう。
しかし日本の軍事力拡大の途上には、大きな障害物が横たわっている。それはアメリカの存在だ。日本の軍事的また政治的な同盟国でありながら、その一方でアメリカは、日本政府が東アジアに軍拡競争を誘発したり、まして再び強力な軍事大国になることなど、決して望んでいないからだ」
専門家は、このように述べている。
7月31日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
29日、先月ですが麻生副総理はドイツのワイマール憲法は、いつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか。このように述べた。
その際確かに、麻生副総理は大きな騒ぎは引き起こしたくないとし、憲法改正の目的は、国の安定化であり落ち着いて、われわれを取り巻く環境は何なのか、状況をよく見た世論の上に憲法改正は成し遂げられるべきだと強調している。
とはいえ、この麻生副総理の発言は、アジア諸国で大きな反響を呼んだ。ナチスによるワイマール憲法の見直しは、第一次世界大戦の結果によって定められた、ドイツ軍の規模の制限破棄を意味するものだからだ。その結果、ドイツは短い期間のうちに急速に、その軍事力を増強できた。そしてドイツは、イギリスおよびフランスの暗黙の了解を得て、まずオーストリアとチェコスロバキアを占領、その後、ポーランド侵略に取り掛かり、第二次世界大戦の幕を開いた。
中国や韓国が、日本の所謂、平和憲法の見直しと軍の改革が、日本の潜在的な軍事力の急激な拡大の諸条件を作り出すのではないかと危惧するのも当然だろう。
しかしロシアの日本問題の専門家であるパヴリャテンコ氏は、そうした恐れはないと見ている。
「世論調査から判断して日本の社会には2つのグループが形成されている。憲法の見直しに関する安倍首相の考えを支持する人々と、それに反対する人々だ。反対派は毎日新聞の調査では51%に上っている。ここで申し上げたいのは、安倍首相は、以前よりも今は断固とした態度で憲法の見直しを訴えてはいないという点だ。恐らく彼の側近の誰かが、そうした立場は日本に害を及ぼすばかりでなく地域の緊張を高めるとして、状況を先鋭化させるべきではないとアドバイスしたのでしょう。
もちろん麻生副総理の発言は、自由民主党や日本社会の一定の部分の気持ちを反映している。その背後には何があるのでしょうか。実は何もありません。あるのは目論見ばかりです。社会の一定の部分が方針を決め、その方針に沿って、近い将来、日本の発展の方向付けをしたいと望んでいるのだ。
しかし、そうなるかどうかはまだ分からない。なぜなら、先日の参議院選挙の最も重要な結果というのは、連立与党が衆参両院で多数派となり、この6年間で初めて議会と政府が一つになったことで、これは自民党の党内ばかりでなく社会内の安定の要因となっているものの、残りのすべての事は、この安定から派生して生まれるものだからだ。
もちろん多くのことは、アベノミクスが今後どう実現されるかにかかっている。もし経済プログラムに停滞が生じれば、対外政策や、安倍氏が、その一期目の際にも、すでに予定したこと、つまり憲法の改正や自衛隊の本格的な軍隊化などを通じて、その埋め合わせをする事になるでしょう。
しかし日本の軍事力拡大の途上には、大きな障害物が横たわっている。それはアメリカの存在だ。日本の軍事的また政治的な同盟国でありながら、その一方でアメリカは、日本政府が東アジアに軍拡競争を誘発したり、まして再び強力な軍事大国になることなど、決して望んでいないからだ」
専門家は、このように述べている。
憲法「押しつけ」論の幻 (講談社現代新書) | |
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7月31日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル