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核なき世界のため広島と長崎への原爆投下の原因について嘘をつくのをやめなくてはならない(2)

2013-08-10 | ラジオ
そのような雰囲気は8月9日、長崎に原爆が投下されてからも変わらなかった。大きな転換点となったのは、それと同じ日、鈴木貫太郎首相が最高戦争指導会議臨時会合で、本日、朝のソ連による参戦は、我々をして出口のない状況におかしめ、さらなる戦争継続を不可能とした。と明らかにしたことだ。
満州におけるソ連軍の快進撃こそが、8月14日、昭和天皇が降伏を承諾された背景にある。日本軍はそれでも反撃の準備をしていたが、ソ連軍の満州および朝鮮での快進撃を背景に8月19日、無条件降伏を発することになった。
つまり数十万人の民間人が犠牲になった原爆投下ではなく、ソ連の参戦こそが戦争終結に結びついたということだ。原爆投下がなくとも、ソ連の参戦は同じ結果を招いたことだろう。アメリカが原爆投下を必要とした理由、それはソ連に対する圧力を加えることだった。

イワノフ専門家は、核なき世界を現実のものにするためには、広島および長崎での悲劇について、自分の意見を紹介するだけでは不十分だと指摘している。
「多くの国々にとって現在、核兵器が唯一の安全保障の手段であるという残念な事実を、まずははっきりと認めなくてはなりません。
例えばイスラエルなどもそうだ。ただイスラエルによる核兵器保有に対してアメリカは黙っているが、北朝鮮が核兵器を持とうとするとアメリカは激しい憤りを表す。
北朝鮮にとって核兵器は、自らの存在を保証するためのものなのだ。アメリカは他の主権国家における政権を次々に取替えっこしているが、北朝鮮に対しても保証を与えたくはないのだ。イランも同様だ」
そのようにイワノフ専門家は指摘している。

一言で言えば、多くの国々にとって、外部からの侵略に備える信頼できるツールが他に現れない限り、核なき世界は夢物語に過ぎないものなのだろう。

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8月6日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル