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日本 ロシアに対する偏見を捨てるべき(2)

2013-08-15 | ラジオ
一方でパノフ氏は、ソ連でも反日プロパガンダがあったことを認めている。
「ロシアでもソ連時代、日本がアメリカと協力してソ連に対する軍国主義復活を非難するような風潮があった。日本文化や風習に関する書籍が、ソ連共産党中央委員会のイデオロギー検閲を通過することは至難の業でした。
今でもロシア政治エリートの一部は、日本に対して無関心もしくは北方領土問題で否定的な態度をとっている。もちろん常識も失われていませんでした。それゆえに公式プロパガンダにも関わらず、ロシア人の日本人に対する態度は、日本人のそれよりもより良好なものたった」
パノフ氏のコメントだ。

ロシア人東洋学者であり歴史家のダーツィシェン氏は、その傾向は特にロシアの田舎では顕著だと指摘している。シベリアでは日本の地震や津波、原発事故などに対して非常な共感が持たれているからだ。
「サハリン北部が占領されていた時代、日本人はロシア児童のための教科書も買い上げていましたし、ロシア人漁師が水揚げした魚も保管していた。関係は普通の関係だった。
シベリアでも反日的な歴史は一切なかった」
ダーツィシェン氏のコメントだ。

両国の研究者らが共同で露日関係史に取り組んでいるが、もしかすると相互理解への貢献につながるのかもしれない。この作業のなかでは日本とロシア、双方の見解が客観的に著述される。プロジェクトに参加しているモスクワ国立国際関係大学の、ストレリツォフ教授は次のように語っている。
「この作業はロシアと日本の読者に両国の研究者の見解を示し、誤解を少なくすることができるでしょう」
さらにストレリツォフ教授は述べている。
もちろんストレリツォフ教授自身が認めている通り、ひとつのプロジェクトでどうにかなる問題ではない。偏見は数十年の長きにわたって形作られてきたものだからだ。ただ誤解と不信を克服するためには、最初の一歩を踏み出さなくてはならない。

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6月25日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル<