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日中の心理戦を軍事紛争に発展させてはならない

2013-08-11 | ラジオ
ロシア科学アカデミー極東研究所のキスタノフ研究員は、東シナ海のガス田をめぐり、日中間の緊張が高まっている事に関し、ロシアの声のインタビューに応じたなかで、日中政府間の所謂心理戦を軍事紛争にまで拡大させてはならないとコメントした。
安倍首相は、日本政府は係争海域での、中国側の一方的なガス田開発に断固抵抗するだろうと警告している。
中国の複数の石油ガス企業は、両国の排他的経済水域内にある7つのガス田を開発するため、新たにボーリング施設を建設中だ。
日中双方は、この水域における国境線画定に関し合意できないでいるため、経済水域は互いに重なっている。まして7つのガス田のうち2つは、尖閣諸島、中国名ジャオユイダオ諸島のすぐ近くにある。中国側のこうした攻勢に、日本側がどう出るか、今のところはっきりしていない。

キスタノフ研究員は、ここ最近、日中の経済的利益の衝突が、強まっているとして次のように指摘している。
「日本と中国は、アフリカやラテンアメリカなど世界中のあらゆるところで、エネルギー資源獲得競争を展開している。これは、ロシアの資源についてもある程度言えます。一方すぐ近くの東シナ海には巨大なガス田があり、日本も中国も共にそれは自分のものだとみなしています。今私達が目にしているのは、この美味しい分け前をめぐっての関係の先鋭化だ。
日中間の矛盾は、この問題ばかりでなく、あらゆる領域で拡大するでしょう。日本は中国が日本を抜いて世界第2位の経済大国になり、自分達が3位に甘んじている事を許せないのです」
キスタノフ研究員の発言だ。

このように指摘したキスタノフ研究員は、さらに次のように続けている。
「中国は地政学的そして経済的など、あらゆる領域で自分の地位を確立しようと試みている。こうした意向は日本の国益と矛盾するため、今後、日中間の軋轢が高まるでしょう。尖閣諸島や東シナ海のガス田をめぐる心理戦も続きます。肝心なのは、それが熱い戦争へと変わらないようにする事だ。しかし当面、ことが軍事衝突にまで発展する事はないでしょう。双方とも、それがどんな結果をもたらすかを理解しているからだ。結果は予測もつかにいものとなるでしょう」
キスタノフ研究員の発言だ。

今月2日、尖閣諸島海域に中国海警局の船舶4隻が入った。これに対し日本の海上保安庁側は、彼らに無線で、即刻、日本の領海から出るよう求めた。
こうした尖閣諸島近海への中国船舶の新たな示威的接近は、係争海域でのガス田開発に向けた中国企業の活動を、すべて止めるよう強く求める日本政府に対し、中国側が叩きつけた一種の挑戦状と言えるだろう。

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8月3日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル