1010 Radio

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民族的、宗教的寛容と差別に付いて話し合うOSCE

2010-07-18 | ラジオ
民族的寛容と宗教的寛容の限界は何処にあるのだろうか。
他の民族、他の宗教の習慣や伝統を尊重することが、いつどこで自国の(???)を脅かすものとなるのだろうか。例えば幾つかのイスラム諸国では、ヨーロッパの人々がアルコール飲料を口にしたり、公共の場で抱き合ったりすることは出来ない。
何故ならそれはイスラムの国々で定められている決まりや法に反するからだ。

しかしヨーロッパの人々もまた、例えばイスラム女性と同じようにヒジャーブやニカーブといった、顔や頭を覆うベールやスカーフを身に着けるなど、その他のイスラム教の習慣を守らなければならないのだろうか。

カザフスタンの首都アスタナで開かれているOSCE・欧州安保協力機構の会合では、寛容と差別に関する問題をテーマに話し合いが行われている。
会議の冒頭、カザフスタンのナザルバエフ大統領は民族間の問題、宗教間の問題を解決するためOSCEの役割を強化するのはもちろん、これを目的とした特別な機関を創設することを提案した。
大統領は現在キルギスで起こっている民族紛争を例に挙げ、民族間の不信という問題は地域のみならず、世界の安定を脅かす恐れがあり、国際的なレベルで取組むべきだと述べた。

今回OSCEの会議でこうしたテーマが取り上げられているのは、西ヨーロッパ諸国で反イスラム的な動きが高まっていることを受けてのものだ。
スペインではスカーフなどの、イスラム女性特有のものを身に着けることが法的に禁じられている。そして現在はベルギーやフランスでも、同様の法案が作成されている。
一方スイスではイスラム教寺院や塔の建設が禁止され、オランダでは反イスラム的な映画が製作されている。
またヨーロッパのほぼ全ての国で、ヨーロッパ以外の国の出身者が就職する際、何らかの差別がある。
これはそうした国々のなかに、ヨーロッパ文化や伝統を受け入れようとしない民族共同体が、どんどん増えていると言う状況の中で、各国が自らの(???)が失われることに危機を感じているからだ。

民族的、宗教的不寛容はテロ行為にも発展し、たびたびヨーロッパを震撼させている。
民族的、宗教的寛容と国の安全保障とのバランスとの問題が差し迫ったものとなっているのは、ヨーロッパ諸国だけではない。
国連人権理事会モスクワ事務局局長は、民族的少数派の権利や習慣の保護と国の法律と利益が合致するような、妥協点を見出すことが必要不可欠だと強調している。
「イスラム特有のベールや民族衣装に関する問題というのは、デリケートかつ繊細な問題だ。
もちろん国の安全問題は非常に深刻だ。ですから公共の場で、そうしたイスラム特有の衣装を身に着けることが禁止されるというのも(?)だ。
もちろんそれ以外の場所、例えば寺院に行くときには独自の衣装を身に付け独自の信仰を貫けばよいのだ」
国連人権理事会モスクワ事務局局長は、このように話している。

最近、全ロシア世論調査センターが行った調査では、ロシアの大多数の市民が他の民族に対して、嫌悪感や拒否感は無いと答えている。
また嫌悪感のあると答えた半数の人は、その理由をテロの脅威と結び付けている。しかし社会学者らは大多数の市民が、ロシアの習慣や行動(?)に敬意をはらわない、他の民族には我慢できないと考えている点を指摘している。

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国際社会はそれぞれの国の文化を守るための、原則やシステムを作りだす必要がある。しかし一方で民族的、宗教的、少数派に対する差別を生み出さないようにしなければならない。
これに付いてロシア正教会(???)院広報部報道官は、次のように述べている。
「信者達が公共の場で宗教特有の服装を身に着けたり、祈りを捧げる権利を(?)ような取り決めをまとめることが必要だ。何故なら信仰と言うものは教会や寺院だけでなく、職場や学校など何処に居ても守られるべきものだからだ。
そこでロシア正教会は各宗教、各宗派の代表とも、またロシアやCIS諸国と言った政府の代表とも対話を行うよう努力をしている。
ロシアでは現在、政府も社会も宗教団体も、こうした問題を解決する道を模索している。
その一つとしてロシアの学校では『宗教の基礎』という授業が行われている。
幼年時代から他の宗教や民族に対する、寛容と尊敬を身に着けさせることが、その目的となっている」

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6月29日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル