1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

対イラン独自制裁を採択したアメリカ

2010-07-07 | ラジオ
アメリカのオバマ大統領は、これまでで最も厳しい対イラン追加制裁法案に署名した。
オバマ大統領は自身の決定に付いて、これは核計画への出資と開発を進めるイラン政府の能力の核心に、打撃を与えるものだとコメントしている。
アメリカ政府の独自制裁の対象は、革命防衛隊と取引する企業にも拡大されている。

とりわけアメリカの銀行は、革命防衛隊との関連が明らかになった、外国の金融組織との取引を禁止されている。
その他イランへの石油精製品の輸出が全面的に禁止されている。
これはイランの核プログラムのみならず、イラン国民にまで打撃を与えるだろう。
イランでは石油採掘分野や石油加工能力で発展が見られるものの、その規模は決して大きくは無い。
自国のエネルギー需要を賄うため、イランは必要な石油を外国から40%以上購入している。

アメリカの制裁導入後、イランでは石油不足になることは明らかだ。
またこれによりイランでは燃料価格が値上がり、それに伴って商品やサービス価格も上昇するだろう。
その結果、最初に被害を受け苦しむのはイラン国民だ。
まさにこれは今年の6月に、国連安全保障理事会のイラン追加制裁決議を採択する際に、国際社会が回避しようと試みたことだった。

外交防衛政策委員会のアベルチェフ委員は、独自制裁案を作成したアメリカ政府は、実際、国連安保理メンバーの全ての尽力を無駄にしたと述べ、次のように続けている。
「オバマ大統領には政策上の自らのプログラムがあるのだ。
大統領は深刻な問題に直面している。世論の高い支持を得ていないのだ。
今年アメリカでは、中間選挙が行われることを忘れてはならない。
つまりオバマ大統領は、アメリカ国民が極めて重要だと考えているテーマに付いて厳しい態度を示しているのだ。
イラン核問題は、そうしたテーマの一つだ」
アベルチェフ委員は、この様にコメントしている。

しかしオバマ大統領が国際問題を利用して、内政問題を解決しようとすることによって、国際社会が一致団結した効率性の高い行動を取ることが不可能となる。
今回の法案への署名は、ブリュッセルで開かれるイラン問題に関する6ヵ国協議を前に行われている。
この6ヵ国に含まれるロシアと中国は、すでに以前からアメリカによる一方的な独自の制裁発動には否定的な態度を示してきた。
今回この法案に署名が行われたことは、アメリカがパートナー諸国の見解に、どのような態度をとっているのかを明らかにするものだ。

しかしこの新しい法律も、イランの核開発を中断させるものにはならないだろう。
そう語るのは、ロシア科学アカデミー東洋学研究所の専門家だ。
「確かにこれはイランが核プログラムを進めていくのを、かなり困難にするものではある。しかし核開発を中断させるものではない。
イランは核開発を続けるだろう。今ほど精力的には行わなくなったり、あるいは時期をずらすということはあるかも知れないが、いずれにしても開発を止めることはないだろう」
ロシア科学アカデミー東洋学研究所の専門家は、この様に話している。

ザ・パージァン・パズル 上 アメリカを挑発し続ける
イランの謎


ケネス ポラック
小学館


このアイテムの詳細を見る


一方この法律によってイランとの対話の可能性が、完全に失われてしまう恐れがある。
イラン政府指導部はすでに、国際的な圧力が強まれば、その報復としてIAEAとの協力を停止すると明言している。
アメリカの今回の行動は、こうしたイランの発言を現実のものにし、さらなる脅威をもたらす可能性があるのだ。

ザ・パージァン・パズル 下 アメリカを挑発し続ける
イランの謎


ケネス ポラック
小学館


このアイテムの詳細を見る


7月2日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル