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北方領土のソ連支配に関するイギリスの秘密文書

2010-07-19 | ラジオ
共同通信が伝えるところによると1970年代末、イギリス外務省はソ連の南クリル諸島いわゆる北方四島の権利を承認する秘密文書を作成していた。
文書のコピーは共同通信が情報公開法に基づき、イギリス公文書館で入手したものだ。
これに関連してロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
文書は「日ソの北方領土問題」と題されており、日付は1979年12月20日、外務省極東部日本課のスタンプが押されている。
文書では「我々はソ連の南クリル4島の支配は、国際的合意で認められているとの見解に傾いている」と記されている。
ここで言う国際的合意と言うのは1945年のヤルタ会談と、1951年に日本がクリル諸島の権利を放棄した、サンフランシスコ平和条約のことを指していると思われる。

当初イギリスは日本の4島返還要求を支持していなかったが、自らの見解を明らかにして来なかった。
そして1988年になってイギリスは、日本の立場を公的に支持するほうが有利だと判断したのだ。
専門家によるとイギリスが自らの立場を180度変更した理由は、第二次世界大戦の戦勝国による日本に関する合意を反故にした、アメリカの圧力があったためだと言う。
そもそもアメリカは1945年4月にルーズベルト大統領が逝去したことをきっかけに、自らの方針に変更を加えた。
ルーズベルト大統領の後任になったトルーマンは、それまでに締結されていた合意の遂行、つまり北海道の北半分をソ連軍に占領させるという計画を変更した。

かつてルーズベルト大統領時代、日本を四分割し、それぞれをアメリカ、ソ連、イギリス、中国の統治下に置くと言うプランがあったことは有名な話だ。

これに付いてロシア科学アカデミー・東洋学研究所付属東洋大学の教授に、露日関係に付いて伺った。
「決定的な意味を持つのは1946年1月29日に、マッカーサー司令官が出した対日指令677号だろう。
行政権の行使に関して日本の範囲を言及するもので、このなかでは竹島、千島列島、歯舞群島、色丹島が日本の権利から除かれる地域だと明記されている。
一方原爆投下の命令書を承認したトルーマンは、日本四分割案を拒否し日本全土をアメリカ軍の占領下に置いた」
教授はこのように話している。

第二次世界大戦末期と占領時代における、アメリカの対日戦略の目的は、日本をコントロール下に置き、ソ連や中国をはじめとした他の国家の影響を最小限に抑えることだったのだ。

7月6日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル