たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

一片のパン。二本の燭台。――映画「レ・ミゼラブル」 19年の監獄と過酷な強制労働の果てに~

2012-12-28 18:05:40 | 劇場映画

世界で最も愛されているミュージカルの最高峰「レ・ミゼラブル」。その舞台の興奮と感動を、超一級のキャストとスタッフの手によって丸ごとスクリーンに封じ込めて完全映画化。――映画「レ・ミゼラブル」公式サイトのIntroductionから
ユニバーサル・ピクチャー、配給・東宝東和、上映時間:158分
公式サイト

原作・あらすじは誰もが知っている。
文豪ビクトル・ユゴーが1862年に発表した歴史的名作、
19世紀フランスを舞台に展開する『レ・ミゼラブル』(Les Miserables)です。

主人公のジャン・バルジャンは、
一片のパンを盗んだ罪で19年間投獄されて、囚人ナンバーを持つ男。
仮釈放中、教会で再び盗みを働くが、二本の銀の燭台まで与えて、
その罪を見逃し赦してくれた司教の慈悲の真心に触れ、
身も心も生まれ変わろうと決意。実業家として成功し、
マドレーヌと名前を変え、市長の地位に上り詰める。
そんなバルジャンを執拗に追いかけるジャベール警視がいた。



見終わって「感動いっぱい」
舞台でのミュージカルは見ていませんが、映画ならではの見処はいっぱいあります。
一人ひとりの表情がアップで映し出され、怒り、悲しみ、希望など葛藤の苦悩が、
その人物の内面が歌と一体となって、スクリーン一杯に広がります。

主役ジャン・バルジャンを演じたヒュー・ジャックマンも素晴らしかったが、
ジャン・バルジャンを追い詰め、そしてジャンに救われたことにより、
信じてきた法の正義が最後に崩れるジャベール警視、
ラッセル・クロウ(写真右)の「法か愛か」葛藤の迫力が胸を打つ。



そして、盗人、スリの極悪両親の娘で、
市民革命に身を挺したサマンサ・バークス(写真左)のエポニーヌの悲しすぎる葛藤。
学生革命運動に身を投じた良家の一人息子、エディ・レッドメインのマリウス・ポンメルシーをひたむきに恋する。

しかし、アマンダ・サイフリッドのコゼットに一目惚れのマリウス、
屋敷の鉄格子を挟んで愛を歌い上げるコゼットとマリウス、
物陰からエポニーヌもマリウスへの愛の歌を歌う。
高揚した恋する二人と、片思いの切ないエポニーヌの気持ちがひとつの画面に溶け合って、
それぞれの愛の歌が一つになる。
マリウスを救うために、エポニーヌは政府軍の銃弾の楯に飛び込む。
そしてマリウスも……ジャンは、コゼットは、……

そのほかのキャストは、
コゼットの里親であるテナルディエ夫妻には、ヘレナ・ボナム=カーターとサシャ・バロン・コーエン。
コゼットの母ファンテーヌにはアン・ハサウェイ。
全員一流のミュージカルスターで、すべてのセリフは歌となって張り裂けそうな想いを熱唱する。

すべての歌を実際に歌いながら、生で収録する撮影方法が取られていて、
役者の感情のほとばしりがそのまま歌声となって溢れ出し、
ミュージカルならではの醍醐味を堪能させてくれる。

詳細な製作過程などは、以下のウィキペディアで知ることができます。
「レ・ミゼラブル_(2012年の映画)」

こんなニュースもあります。
18日にイイノホールで行われた『レ・ミゼラブル』特別チャリティー試写会に、
皇太子さまがご臨席され主演のヒュー・ジャックマン、トム・フーパー監督、
プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュが緊急来日し、
皇太子さまと懇談されたという。

学生時代、帰郷する前、
東京新宿の武蔵野館で最新映画を見て、夜行列車に乗る。
歳末の映画三昧は数十年前の記憶につながります。

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
良いお年をお迎え下さいね♪ (ティアラ)
2012-12-30 01:52:19
2012年も残りわずかとなりましたね!
「レ・ミゼラブル」ご覧になったのですね
私も観に行きたいと思っている映画です!

今年もブログ楽しませて頂きました♪ありがとうございました
来年も更なる「たにしの爺様のブログアクセス記録更新」に期待しています

良いお年をお迎え下さい

返信する
ありがとうございます。 (たにしの爺)
2012-12-30 20:08:21
1年間のご愛顧ありがとうございます。
それほど更新頻度があるわけでもないのに、
見守って下さり、ときどき励ましのコメント。
どのような麗人か知りたくもありますが、
一方、コメントだけで伝え合うのも楽しいですね。

2013年もご贔屓をお願いします。
爺さまより。
返信する