たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

都心で出会った「ちょっとした話」

2012-05-12 00:31:46 | 社会見学


写真は外堀通りの虎ノ門交差点付近の様子です。


連休明け、あっという間の週末になりました。
今日は、ちょっとしたいい話(私の独り勝手ですけれど)をします。
超々長くなります。

今日・金曜日の昼下がり、
アメリカ大使館脇の例の天下りの殿堂「三会堂ビル」のお蕎麦屋さん「志な乃」(ここのカレー南蛮そばは絶品の味です)でランチ。
大盛りそばを食して、出てきましたら、
80歳くらいの、小柄なおばあさんが、アメ大警備の機動隊員に「虎ノ門病院」に行く路を尋ねていました。

機動隊員が方向を指しながら、説明していましたから、
「虎ノ門病院なら、脇を通りますから、私が案内しますよ」と交差点を渡り、
アメ大斜交い前の「共同通信会館」から、隣りの「JTビル」に向かいました。

歩きながら小柄なおばあさん
「サントリーホールに行ってきた。虎ノ門病院が分からなくなって」といいます。
虎ノ門病院からサントリーホールまでいくには、
ビルの谷間の坂道を歩かなければならないのに、よく行ったものだと思いながら、
「この時間、サントリーホールで何かやっていましたか」と聞くと、
「チケットを買いに行ってきた。クラシック音楽が好きでピアノリサイタルが好き」という。



写真はサントリーホール前のカラヤン広場です。


歩きながら、日曜の朝6時からNHKbsでN響が聴けますよと教えてあげると、
「知っている。よく聴いている」といいます。
虎ノ門病院へのちょっとした近道になる、「JTビル」のエントランスに入ると、
そのおばあさん「ああ、JTビル、この2階のホールでもよく音楽会をやっている」という。
確かに週1、2回、音大生によるコンサートが開かれている。

この辺「よく聴きに来るのですか、JTビル向かいの日本財団ビル日本財団ビル1階バウルームでも、
隔週無料のクラシック・コンサートをやっていますよ」と指差すと、
「えっ、どこ?」と聞くので、「よくこの辺には来るのですか?」
「何処から出てくるのですかと」問いかけると、

「長野から」と言う。
「えっ、軽井澤とか、小諸とかの長野」からと言うと、
「軽井澤」から、朝8時に出ると9時過ぎには東京に着いていると言う。

「私も長野、上田の出です」と言うと、「上田の何処」というので、
「信濃国分寺の近く」と言うと、おばあさん「私、上掘」という。
えっ、隣りの集落ではないか。同じ神川地区から出て、虎ノ門でニアミスだ。
上掘りには山崎という同級生がいると言うと、
「池田って知っている」かと、そのおばさん。

虎ノ門病院の前に来たので「ここですよと立ち止まると」、
「病院には午前中に来たので、もういいです」虎ノ門の駅に行くと言う。
病院まで戻れば、駅までの路がわかるから」と言う。

金曜日に来たら虎ノ門病院の隣りの虎ノ門2丁目タワー1階エントランスホールでもコンサートやっていますよ、と案内して、
「じゃ気をつけてと」お別れしました。

この辺の地理はこの一枚で理解できます。

虎ノ門病院には通院しているのか、知り合いのお見舞いに見えたのか分かりませんが、
見たところ80歳近いおばさんが、一人で来て、
サントリーホールのクラシックコンサートのチケットを求める。

「さすが長野県人」と、うれしくなっていました。
この話を誰かにしたくて、ブログにアップ。
郷関を出て50年も経って、いまも郷里意識過剰ですね。

ながながとご迷惑でした。