銀座に行ったタニシは、
ロシア映画『ラフマニノフ~ある愛の調べ』を 銀座テアトルシネマ で見た。
昔は「黄金週間」というのは、映画を観るためにあったのだ。
松竹、東宝、日活、東映、大映……、各社大作を封切りして、興行を競った。
2本立て(1回入ると2本の映画が見られた)が多かった。
以下< 公式サイトのストリー紹介による……要旨>です。
すべてを捧げた初恋、短くも美しい恋、支え続ける愛……ラフマニノフの運命を変えた3人の女たち。
その夜、カーネギー・ホールは、熱狂的な感動に包まれていた。
ロシア革命を逃れてアメリカに亡命したラフマニノフの、ニューヨークでの初コンサートが開かれていた。行く先々での大成功とは裏腹に、ラフマニノフは日に日に憔悴していく。妻のナターシャは、そんな夫を支え続ける。
ある日、ラフマニノフのもとに、贈り主不明のライラックの花束が届く。
故郷に咲き乱れるその花の甘い香りをかいだ瞬間、切なくも情熱的な愛の日々が甦る。
募る想いを込めて交響曲を捧げた年上のアンナ……
革命に燃える瞳に心を奪われたマリアンナ……。
花束は届き続ける。いったい贈り主は誰なのか?……。
冒頭のカーネギーホールの演奏会から始まり、ライラックの花の咲き乱れる丘に少年が遊ぶ。
場内に響きわたるピアノ協奏曲第二番ハ短調。
この先、ラフマニノフの名曲の数々が聴けるものと思った。
ところがストーリーの時系列が、戻ったり行ったり、物語の展開を追うのに注力させられて、音楽を聴く場面の印象が薄くなってしまった。
亡命しているアメリカでの演奏活動。
才能が見出されて修業する少年時代。
ピアノが評価され名声発揮の青年時代。
妖艶な年上女への初恋と挫折の時代。
革命女戦士に誘惑され、亡命で彼女の助力で出国するいきさつ。
ライラックの花が咲く故郷と妻となる従妹のナターシャとの思い出と結婚。
これらの話しが何回も行ったり戻ったりする。
ロシアの天才ピアニスト兼作曲家セルゲイ・ラフマニノフ(1873~1943)の数奇な生涯を描いたというこの映画。まさに良くても悪くても、「ロシア映画的」と言える。
映画館はほぼ満席状態。ご婦人連れが多かった。ラフマニノフのファンは女性が主流ということかな。
タニシは銀座で映画を観たかったのだ。