ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

統一の日、氷点下のブカレスト

2010-12-01 | ルーマニア・ブカレストの日常

 
未明から冷たい雨、屋外へ出るには手袋をしていないと指先から凍えてくるほどの冷たさ。そんな12月の最初の日ですが、ルーマニアでは1918年のルーマニア統一を祝ってのナショナルホリデー。いわゆる祝日なので、一般の企業や学校はお休み、特に大事なこの日には「La multi ani!」(=おめでとう)と言葉を交わして過ごします。ルーマニア統一記念日、おめでとう!ルーマニア、おめでとう!
 


各地でこの日に企画されているのが、統一の日を記念する祝賀行事。ブカレストではルーマニア国にかかわる人たちのパレードが行われます。軍隊や騎馬隊、国家警察など、国にかかわる制服の人たちのパレード。これを見ようとばかりに、凱旋門広場から延びる通りには朝から市民が詰め掛けます。
 


祝砲がとどろく時刻に到着したワタクシ、マドモワゼル、人垣に阻まれて、パレードを見るための好位置を確保できません・・・凱旋門広場ではすでに5重・6重の人だかり。せっかくの凱旋門前のセレモニー、音が響いてくるだけ。
 
少し見学位置を南下させながら、落ち着ける場所を探します。なんといってもかなりの人出。多くの人が手にルーマニアの三色旗を持っていて、この日を祝う気持ちが伝わってきます
 


お父さんに肩車された子供も、手に三色旗。青・黄・赤のこの色は、ルーマニアの空の青さ、土壌の実り、そして統一のために人々が流した血を表しているといいます。
 


この雨模様の日にあわせて、傘に三色旗。



ベビーカーにも三色旗。
 


いつもの通りも、三色旗で飾られていて、予想された雨風の悪天候にもかかわらず、特別の日のおめかしをしてパレードを祝っているのです。
 


その三色旗も、未明からの雨に打たれ、パリパリと凍るほどの氷点下。
 


おそらく毎日のように、この沿道を清掃作業してくれている人も、手押し作業車に三色旗。「今日は特別な日ですね。」と声をかけると「だから、国旗よ。」と。
 


この日、パレードを見ていて感じました。というより、パレードを見に来ている人たちに触れて、思いを新たにしました。ルーマニアの人たちはルーマニアという国が大好き。とても自分たちの国を誇りに思っていて、かけがえのない美しい国だと思っています。
 


・・・が、とても悲しいことですが「政治家がうまくやらないおかげで」、→「この国には将来はない。」「この国にいては将来が見えない。」と思っている人がたいそう多いことは事実。それでもルーマニアを離れることが出来ない人たちの、「この国は大好き」「政治家のせいで生活は苦しい」「この美しい国でうまく暮らすことが出来たら。」
 


悲哀がきこえてきます。パレードに拍手を送りながら、自分たちの三色旗を振りながら、この国を何とかしてよ、と。
 
同じ日、テレビニュースによると、地方都市では、白インゲンマメの煮込み料理やサルマーレ(=ルーマニア風ロールキャベツ)が振舞われたり、とお祝い行事が相次いでいますが、「わたしたちの生活はどうなるの。」と訴える人たちの姿も。
 
この国のトップ、バセスク大統領は国外へ逃避行なのか雲隠れ、一切、今日のニュースに姿をあわらしません。メディアにとらえられたのは首相のボック氏。PSD(赤をチームカラーとする政党)のジョアーナ氏。矢継ぎばやのインタビューにひとまず答えていますが、国民には響いてきません。
 
国民はこの国が大好きで誇りに思っています、統一記念日のこの日、三色旗を掲げた人のなんと多いことか。パレード見物に一人でお越しのご婦人も、手にしっかり三色旗を握り締めていたりして、この国への思いが伝わってきます。
 
この美しい国を、これ以上、政治で損なわないで。わたしたちはこの国に住み続けるの、何とかして。空から降ってきた雨がそのまま凍りつくような冷たい日となった統一記念日、ルーマニアの人たちがどんなにこの国を愛しているか、再認識できたパレード見物もろもろでした。

私事・・・:
マルタ遠征から戻ってきたのがこの日の早朝。温暖なはずのマルタですっかり風邪を引き込んでしまったマイダーリンはベッドの中。


(凱旋門広場のバス停も三色旗でおめかし。パレードがあるので、当然のことながら道路は全面通行止め。)

一人でパレード見物に出かけたワタクシ、マドモワゼルですが、心強い知り合いに出会いました。「きみ、マラソンを走っているだろう、僕、知っているよ。」~申し訳ないけれど私はほとんど記憶に無し、だけど「いっしょに写真を撮ろう!」と、今日の日を祝う気持ちが伝わってきました。
 
わざわざパレード見物に来ていた私を見つけてくれた彼、わたしをルーマニア・ファンと見取ってくれた様子。
 


「ほら、国旗を持って!」~そうこの日にはルーマニア国旗を持参するべきでした。ルーマニアが大好きなマイダーリン、我が家にもいっぱいルーマニアの三色旗が飾ってあります。
 


彼らもルーマニアが大好きなひとりなのです。大きな三色旗を掲げるときの誇らしげなようす。この気持ちを裏切らないで。今のこの国の政治家の人たちに、国民の気持ちを感じてほしいです。

1918年のルーマニア統一:
第1次世界大戦後、ハンガリーに奪われていたトランシルバニア地方を含め、古来のダチア人の領土回復。ダチア人はルーマニア人のルーツでもあります。古来ダチア人と、イタリアからの遠征民が混ざり合って、今のルーマニア人になっています。

@Bucureşţi


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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (アイロンマン)
2010-12-04 11:18:13
ルーマニアの人たちは愛国心が強いですね!
羨ましく思うと同時に最近ほとんど見かけない日の丸が懐かしく思います。
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Unknown (タカ)
2010-12-04 16:49:48
遠征お疲れ様でした~

ルーマニアへの帰国が30日と書いてあったので、パレードへ一緒に行こうと思っていましたが、お疲れかもしれないと思って遠慮しちゃいました。
パレードの時は近くにいらしたんですね。
私は凱旋門よりペリセイ・リベレ広場側に居たので会えなかったです。
残念!
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アイロンマンさんへ (マドモワゼル・ヒロコ)
2010-12-04 22:59:03
陸続きのヨーロッパにあって、領土を討ち取られ取り戻し、その歴史の中から愛国心がはぐくまれたのでは、と思います。

日本国内で日の丸を持って、晴れがましくパレードを見物することなんて、あったかしら??
(お正月の、天皇陛下ご一家が手を振ってくださるときには、多くの人が日の丸を持って詰め掛けていますが・・・)
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タカさんへ (マドモワゼル・ヒロコ)
2010-12-04 23:00:55
この日は本当に寒かったですね~。
薄手のランニング手袋で出かけてしまい、凍えました。翌日からは、スキーにも使える暖かい手袋をしています。

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