大阪では、東の生駒山から朝日が昇るのが常識ですが、夏至の時期には真東から30度も北寄りから太陽が顔を出します。
大阪港を基準にして、真東から30度北寄りの方向を地図で見ると、淀川が流れてくる方角に当たり、そこは台地や山が無い平坦な土地になっています。
したがって、夏至の時期の大阪港では、地平線の上のビルの間からゆっくりと昇る太陽を見ることができます。
但し、天気が良く、空気が澄んで北東の地平線に雲が無いことが条件となりますが、梅雨の真っただ中なのでなかなか巡ってきません。
この季節、上空は晴れていても肝心の地平線近くに雲があることが多く、その場合には朝焼け雲の観察だけで終わることとなります。
また、水平線近くに太陽が出ても、それを拡大して写すためには、望遠レンズが欲しいところです。
つまり大阪港の海面を染める朝日を撮るためには、夏至の頃に真東から30度北寄りの地平線に雲が無いことが条件なのです。
ところで、水平線から昇ったばかりの太陽は意外と暗く、早いシャッターが切れないのでブレてしまったり、露出不足の写真となりがちです。
また暗くてオートフォーカスがうまく作動しないこともあるために、マニュアルでピントを合わす作業が必要となります。
まず遠くにある目標物を狙い、フォーカスリングを左右に回してピントを合わせるのですが、なかなかうまくゆきません。
季節が進むと太陽は次第に東方向に移動するので、朝日が海面を照らす風景は、来年の6月頃まで見ることができなくなります。