環境省は、全国1000か所にモニタリングサイトを設置し、野鳥などの渡来数を調査しています。最新の2018年春と2017年秋の調査結果をメダイチドリの写真と一緒に紹介しましょう。
2018 年度春期のシギチドリ渡来数合計は、53 種69,220 羽でした。またシギチドリではありませんが絶滅危惧ⅠB類指定のクロツラヘラサギが298 羽、絶滅に関する情報不足のヘラサギは17 羽、2017年秋の調査でも同じような傾向なので日本に限定すればヘラサギの方が絶滅の危険性が高いようです。
2018 年度春期シギ・チドリ類の最大渡来個体数はハマシギ29642、トウネン7589、チュウシャクシギ6727、キョウジョシギ3542、キアシシギ3405、ダイゼン3014、ムナグロ2282、ミユビシギ2260、メダイチドリ1858の順でした。なお大阪への渡来数が少ないキョウジョシギ、ダイゼン、ムナグロなどの渡来数が意外と多いようです。
2018 年度春期のシギ・チドリ類の最少渡来数は、メリケンキアシ1、アメリカウズラシギ1、キリアイ2、ハジロコチドリ2、ヤマシギ2、チョウジシギ3、ツバメチドリ4、ヒメウズラシギ4の順です。
このうちキリアイは秋に渡来することが多く、2017年秋には92、大阪にも少数ですが渡来してきています。
また、大阪に春渡来するシギ・チドリ類で全国的に少ないのが、エリマキシギ10、コアオアシシギ15、アカアシシギ30です。
2017年秋の調査をみると、エリマキ42、コアオアシ124、アカアシ134、ツルシギ19でした。ただしツルシギは春に98も渡来していますので、秋と春では渡りルートが違うのかも。
シギチの仲間で環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠA類指定のヘラシギは2017年秋に1、2018年春に0、カラフトアオアシシギは2017年秋2、春0、既に日本で見ることは難しく、ほぼ絶滅に近いようです。
2018年春の調査ではコチドリ382、ダイシャクシギ73でした。それより多いシロチドリ528、セイタカシギ269、オオソリハシシギ1141、ホウロクシギ181はレッドリスト絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。この2種とヘラサギは早期に絶滅危惧指定すべきでしょうね。