大阪城梅林の梅の花を見て、梅の和歌を残した1300年前の人達の気持ちを知りたいと思い、万葉集の中から梅にちなむ和歌を探してみました。
万葉集:梅の花 咲けるが中に ふふめるは 恋か隠れる 雪を待つとか
意味:梅の花の蕾(ふふみ)は、恋して恥ずかしいのか、雪を待ってから咲こうと思っているのかどちらなのかな
万葉集には、梅の歌が119首もあり奈良時代以前の日本人は、雪が残る早春に咲く梅の花を桜よりも重要視していたことが判ります。
万葉集:梅の花 咲きて散りなば 桜花 継ぎて咲くべく なりにてあらずや
意味:梅の花が咲いて散ったら、続いて桜が咲き季節は確実に春に近付いているのだろうなあ
万葉集の梅の歌119首には、梅の花を雪と一緒に詠んだ例が多いので、当時の大和地方では梅の季節になっても降雪が頻繁にあったと想像できます。
つづく
参考文献:万葉集 隠された歴史のメッセージ 小川靖彦著