リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

金利はどこまで上がり、マイホームはどこまで下がるのか

2022年06月14日 | 日々の風の吹くまま
6月13日(月曜日)。⛅🌤⛅☁。曇っているはずなのに日が差していて、寝室が明るすぎて目が覚めた。マンションに付いているブラインドは日光が透けて来るから、朝に晴れの予報が出ていたら遮光パネルを入れて寝るんだけど、この予報が外れることが多くて、季節によっては2枚のブラインドの隙間から日光に直撃されることもしばしば。規約ではオリジナルのブラインドの内側にならカーテンを付けてもいいんだけど、売りに出た部屋の写真ではそっくりカーテンに替えているケースがけっこう多いようで、要は外側がブラインドと同じ色ならいいということかな。我が家の寝室は一面が床から天井までガラスだけど、外からはルーフデッキに遮られて見えないから、こっそりカーテンに替えてしまってもわからないだろうな。ま、今月は窓の清掃があるので、来月に入ったらワルデマーに相談してみよっと。

メディアによると、今年に入って2回大幅な利上げがあったせいで、住宅ローンの金利が5年物で平均4.5%になり、BC州では5月の住宅販売戸数が前年同月比で35%もダウン。コロナのせいでリモートワークが普及して、比較的安い遠い郊外の戸建てが飛ぶように売れていたのが、売れ足が鈍って来て値下がり傾向が見られるものの、平均年収の十何倍もするバンクーバーでは値段は今のところおおむね横ばいというからびっくり。まあ、ボロ家でも1億円以上だったから、少しぐらい値段が下がったところで、頭金を20%払ってもローンは7、8千万円で、4.5%なら月々の返済が40万円以上になるから、物価上昇を勘案したら若い世代には共働きでも無理だな。それに、金利がさらに上がったら4人に1人がマイホームを手放さざるを得なくなるという調査結果もあって、低金利だった4、5年前に買った人たちは倍の金利で更新することになるわけで、目いっぱいローンを組んでいたら、返済額とインフレによる生活費の増加の板挟みで家計はもろに危険水域。何だか波乱含みの感じ。

でも、1980年前後のマイホーム価格の高騰、2桁のインフレ、2桁の金利、2桁の失業率を、これからマイホームを買って子育てしてという年代で経験したシニア世代にとっては「前にもあったこと」なのに対して、あの狂乱時代を知らないミレニアル世代にとっては生まれて初めて遭遇するショッキングな事態なのは確かだと思う。急なインフレのショックはバブルが弾けて以来の長いデフレの中で生まれ育った日本のゆとり世代にとっても同じじゃないかな。まあ、安穏な状況が続いたときには、人間はそれが明日も来年もその先もずっとそのままでいてくれると思いがちで、それこそwishful thinking(希望的観測)なんだけど、それがあたりまえになってしまうと何らかの変化が起きた時に慌てることになる。そのあたりは、お金の話を含めて人生全般について言えることだろうと思うけど、経験値が低いほどショックは大きいだろうとは想像がつく。

ワタシは高校時代に(国語だったか古文だったか忘れたけど)鴨長明の『方丈記』の出だしの「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」を、川が常に一方向に向かって流れて行くように、人間の世の中も常に前に向かって進んでいて、今日の時間はきのうのとは違う新しい時間なのだと言っているんだとポジティブ満開の解釈して、続く「淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし」を一期一会の観念に通じていると思うと言ったら、先生が「何だ、こいつ」というような顔をしたのを今でも覚えている。永久不変のものは存在しないというのが「永久不変の真理」なんだという回りくどい無常観が芽生えたのもそのときで、大人になって天文学にはまってカール・セーガンの『コスモス』を綴じ目がばらばらになりそうなくらい繰り返し読み耽って以来、すべてがフーコーの振り子のように変化するという大それた宇宙観を持つに至ったわけだけど、話があさっての方に向いてしまったので、閑話休題。とどのつまりは、ローンの金利もマイホームの値段も上がっても下がってもいずれどこかで止まって反対方向に動くということなんだけど、人間が知りたいのは「どこまで」と「いつ」。でも、それがわかれば「あ、そっか」で済んでしまうのかも。