リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

きのうの今日は足元の現実に戻って・・・

2022年06月02日 | 日々の風の吹くまま
6月1日(水曜日)。🌤🌤🌥🌧。朝寝坊して、起床は9時。眠り過ぎはあんまり良くないんじゃなかったかな。やっとこさ初夏らしいいい天気。ただし、週末にはまた「氷河時代の先駆け」的な天気に戻ってしまうらしい。

きのうはチャップマンさんのFBの投稿を読んで、元のブログの全文を読んで、胸が痛むやら、怒りがこみあげて来るやら、暗澹とした気持になるやらで、夜寝るまですっかり動揺した気分でいた。東京には20年以上住んでいるイギリス人の写真家で、彼のブログ『Tokyo Times』でよく見る昭和そのものの東京の裏通りや地方都市の商店街の風景は、朽ちて行くものを労わるようなやさしい眼差しが伝わって来る。その彼が奥さんのアキコさんを乳がんで亡くしたのは去年のことで、奥さんが遺言を両親に明言して、了解を得ていたにも拘らず、それまで(娘の前では)「家族なんだから」と言っていた義両親が、亡くなってすぐに「外国人」であることを盾に全財産を要求して来て、ローンを扱っていた銀行や奥さんの勤め先も義両親の肩を持ったために、弁護士を立てて戦わなければならなかった経緯を克明に書いていて、その強欲さと差別感に読んでいて無性に腹が立ってしかたがなかった。

最後的にお金は大半を義両親に渡して、長年アキコさんと暮らしたマンションだけは守ったそうだけど、長いこと「家族」だったはずの義両親の手のひらを反すような裏切りには、娘のアキコさんが一番悲しんで、一番憤っているんじゃないかと思う。娘の愛した夫が日本人じゃないからって、よく20年もの間「家族」の仮面を被っていられたもんだな。チャップマンさんは「見抜けなかった自分が甘かった」と言っているけど、だって愛する妻の親じゃないの。真っ当な大人なら敬意をもって接するし、だから彼は「家族なんだから」と言い続けた義両親に「義理の息子」として受け入れられていると信じていたんだと思う。それが思いがけず「遺産相続」というか、要するに「お金」が化けの皮を引っ剥がしたというところかな。たまたま小町横丁で、交通事故で夫と愛児を亡くした女性がローンがなくなったマンションを親しかった友人とその夫に「友だち価格」で売れと持ちかけられて、断ったら強欲な金の亡者と罵られたという話が注目を集めていて、自分たちには手の届かないものを家族の不幸でたまたま手に入れた人に破格の安値で売れと要求する夫婦を「貧すれば鈍する」と言う諺の見本だとするコメントが並んでいたのが重なって、どこを見ても「金、金、金」の社会に怒りを通り過ぎて暗澹とした気分になったのだった。ほんと、何から何までお金が基準のような社会でいいのかなと思うけど、それぞれの社会や文化はそこに住む人たちが作るものだから、そこにいないワタシには何とも言えないね。

チャップマンさんはしばらくイギリスに帰ってこれから先のことを考えるそうなので、「アキコさんが一緒にいるから、前向きにがんばって」と書き込んで、足元の現実に切り替え。ワクチン接種4回目の「お忘れなく」メールが来て、固定資産税の通知が来て、スーパーに行ったついでにカレシの処方薬を受け取って来て、トラベルエージェントのジェフからご機嫌伺いの電話があったついでに来年の秋の地中海クルーズを予約してしまって、あぁ~あ・・・。

地中海が招いている